ハワイ州観光局は22日、伝統航海カヌー「ホクレア」の情報サイトを開設した。
「ホクレア」情報サイトでは、ホクレアと姉妹船「ヒキアナリア」が2022年から2026年までの期間、日本を含む46カ国345地域に寄港する環太平洋を航海する「環太平洋航海2022-2026」プロジェクトに向けた取り組みや最新情報を随時公開していくほか、カヌーの構造、近代計器を一切使わず、星、月、太陽、波、風、鳥といった自然の指標だけを頼りに帆走する伝統航海術(スターナビゲーション)、伝統航海から学ぶことや、「マラマホヌア世界航海2014-2017」のドキュメンタリー映画や航海記などを紹介します。
伝統航海カヌーを所有する「ポリネシア航海協会」は、1973年にハワイ州ホノルル市に創設された非営利団体で、「マラマホヌア(Mālama Honua:地球への思いやりを)」というメッセージを掲げ、自然の力だけを使って世界中を航海し続け、環境保全や文化伝承の大切さを伝える活動を行なっています。
ホクレアとはハワイ語で「喜びの星」(ホク=星、レア=喜び)を意味します。ホクレアは、1975年に釘を1本も使わずに復元された双胴船で、何百年も途絶えていたポリネシアの伝統航海術を蘇らせたことから、自然と調和して生きてきた祖先の知恵や技術、文化や伝統を蘇らせ、民族としての勇気と誇りを取り戻すことに繋がりました。ホクレアは、ハワイアンの伝統文化復興運動のシンボルでもあり、
海洋汚染や気候変動など数々の地球環境の危機に直面している現代人間社会に対して「自然と調和して生きる人間観」を問うものでもあり、ハワイ州の州宝に指定されています。
ハワイ州観光局日本支局長 ミツエ・ヴァーレイは、「2022年は日本各地でのドキュメンタリー映画「マラマホヌア世界航海2014-2017」の上映、および教育セミナーを開催していく予定です。ホクレアを通して海、そして環境を守ることの大切さを啓蒙し、”学ぶ宝庫ハワイ”を提唱、ハワイ姉妹都市を中心とした文化交流や環境教育プロジェクトを広めていきたいと思っています。」と述べています。