人材派遣サービス業のパソナグループ(東京都千代田区)は6月25日、全国の地方自治体を対象に、首都圏での観光客誘致や特産品のPR活動などを代行する「東京事務所サービス」を7月1日から開始すると発表した。第1弾として、福岡県糸島市と契約を締結し、同市のシティーセールス活動を推進する。財政状況などがネックになって首都圏に事務所や「アンテナショップ」を設置できない自治体を顧客に見込んでいる。
実際に事業を手掛けるのは、グループ企業で中高年人材の就労支援事業や地域活性化事業を手掛ける日本雇用創出機構(同区)が行う。
近年、地方自治体が首都圏に事務所やアンテナショップを構えてPR活動を行う事例が増えている。しかし、市町村レベルの自治体を中心に、財政状況が厳しくノウハウもない自治体が多く、簡単には首都圏に事務所を構えることができない。
同機構が始めた「東京事務所サービス」は、自治体が必要とする観光誘致活動のほか、地元企業の人材獲得、首都圏の官公庁や企業の情報収集、農産物や名産品の販路拡大などの活動を、同グループの持つ情報や人脈、ノウハウを活用して支援するサービス。
事務所は、同グループ本社の場所と同じ東京・大手町に開設した。同機構の社員数人を専任担当として配置し、契約自治体が増えれば増員する予定。
地方自治体にとっては、首都圏に拠点を開設する費用をあまりかけずに効率よくセールス・PR活動を行うことができる利点がある。
同市との契約は来年3月末まで。費用は200万円(税別)。