Trip.com Groupは7月18日、近夏にパリを訪れる旅行者の国別ランキングを発表した。パリを訪れるAPAC旅行者ランキングは、1位中国、2位日本、3位韓国、4位オーストラリア、5位シンガポールとなった。
本格的な夏の旅行シーズンを迎え、グローバルオンライン旅行サービスプロバイダー、Trip.com Groupでは、6月に開催されるサッカーの大会や7月下旬に開幕するスポーツの国際大会などの影響から、旅行予約がヨーロッパ全体で大幅に増加しています。今年の夏はフランス国外からのパリ行きの旅行予約が昨年から2桁増加しており、旅行消費の促進にスポーツツーリズムが大きく貢献する可能性が示されています。
パリを訪れる旅行者 国別ランキング
【アジアパシフィック】
1位 中国本土
2位 日本
3位 韓国
4位 オーストラリア
5位 シンガポール
【ヨーロッパ】
1位 イギリス
2位 スペイン
3位 イタリア
4位 ドイツ
5位 オランダ
7月と8月にパリを訪れる旅行者の中では、中国本土、日本、韓国、香港を含むアジアからの需要が強く、旅行者の上位には他にイギリス、ドイツ、イタリア、アメリカもランクインしました。また、中国からの旅行者の予約が105%増と急上昇している点も注目されます。
主要なスポーツイベントに関してはアジアとヨーロッパの旅行トレンドで明確な違いがあり、アジアの旅行者の場合、観光などを予定した旅行の中にスポーツ観戦を組み込むスタイルを好み、ホテルの宿泊数もヨーロッパの旅行者より平均的に多いに傾向にあります。アジア人旅行者の平均滞在日数は前年と比較して20%拡大し、中でも最も滞在が長いのが中国本土、韓国、香港からの観光客です。
ヨーロッパでは、世界的に有名なスポーツイベントの開催が多数予定されており、アジアからも多くのファンが駆けつけます。アジアの観光客は、旅行計画にスポーツ観戦と文化的な体験や観光を盛り込むパターンが多い一方で、サッカーファンを中心とするヨーロッパの人々は、自国の代表チームの試合日程に合わせた観戦目的の短期滞在が多い傾向にあります。アジア人の長期旅行スタイルは、旅行体験の幅を広げ、旅先との関わりを深める目的も兼ね備えていることがわかります。
パリの人気宿泊先は?
パリの宿泊先は、地元のラグジュアリーホテルや“宮殿”の宿泊プランが人気です。実際のユーザーレビューと人気予約の情報をもとにTrip.comがまとめた旅行ランキング「2024 Trip.Best 100 Global」リストでは、ラグジュアリーホテルのトップ100にフランスのホテル9軒がランクインしました。パリのホテルは5軒がトップ20に入り、パリのオテル ドゥ クリヨン ローズウッド ホテルが1位に輝きました。高級志向は食の分野にも見られ、Trip Gourmetでは、Terry’s Café、Liberto、L’Imperatif、Chez Milo、Le Procopeといった著名なレストランの予約が20%増加しました。
高級志向が人気の一方で、バケーションレンタルやブティックロッジングなどの宿泊施設の予約が20%以上拡大するなど、ユニークな体験を求める旅行者も増えています。アジアパシフィック市場におけるホテル以外の宿泊予約は、シンガポールが3桁成長でトップ、2桁成長の日本が僅差で続いています。
パリ以外の人気の町
- ニース
- リヨン
- マルセイユ
- ボルドー
- ナント
また、パリ以外の町を訪問するアジア人旅行者数も3桁の増加を記録しています。人気上位10都市にはニース、マルセイユなどサッカーの試合が開催される都市を含め、リヨン、ボルドー、ナントなどがランクインしました。
日本と香港の旅行者の間ではマルセイユ、リヨン、ニースの人気が高まっており、予約件数が昨年から2桁増加しました。パリに限らず、市外でも文化的な体験を求める旅行者が増え、ワインの産地であるプロヴァンス地方への関心が高まっています。
アジア人旅行者からはフランス国内の伝統的な観光地にも引き続き注目が集まっており、パリ市内では特にルーブル美術館、パリ・オペラ座、エッフェル塔、ディズニーランド・パリが人気です。また、国内のプライベートツアーの予約も前年から50%増加しています。
予約の急増と旅行者の強い関心から、スポーツツーリズムと文化的な体験を組み合わせた旅への興味の高さが伺え、伝統的なバケーションにとどまらない新たな旅行体験が求められていることが明らかになりました。スポーツイベントは、旅先の文化やコミュニティとの関わりを深めるためのユニークなきっかけとなるでしょう。