日本ヘルスツーリズム振興機構(森昭三理事長)は、ヘルスツーリズムの優れた取り組みを表彰する第8回「ヘルスツーリズム大賞」を大分県竹田市の「温泉療養保健システムの取り組み」に決定。東京都内で8日、表彰式を開催した。
竹田市の「温泉療養保健システム」は、温泉療法を体験する3泊以上の宿泊者に入浴料と宿泊料の一部を市が助成する仕組み。2011年の導入時に年間543人だった利用者数は、14年に760人、延べ泊数3949泊に拡大。竹田温泉群(竹田市全域)が国民保養温泉地の指定を取得、国の指定する地方再生先行型・先駆的事業に採択されるなど、温泉を生かした予防医療、健康づくりを多面的に推進している点が評価された。
授賞式で賞状を受け取った竹田市の首藤勝次市長は、受賞の喜びを語った後、今後の取り組みについて言及。「これだけ薬漬けになっているなかで予防医療と健康づくりをどう推進するか。世界に冠たる温泉資源を持っているこの日本からそのあり方を問いたい」と強調した。
奨励賞にはスパリゾートハワイアンズ(福島県)の「エデュテインメントスパ(学び湯治)の取り組み」が選出。日本古来の湯治の考え方を基に楽しみながら学べるエデュテインメントスパは、プールでは温泉を利用したアクアエクササイズ、スタジオではアロハエンジョイフラや大人の体力測定、館内では温泉をめぐるスパツアーなど、年齢にかかわらず気軽にできる健康法が体験できる。
個人部門の大賞には大嶽敦子氏(神奈川県)の体験記「熊野古道を歩く〜作り笑いなんか忘れて〜」が選ばれた。
森理事長は「(各地のヘルスツーリズムの取り組みが)個々にオンリーワンを目指して発展すると同時に、お互いに情報交換をしてさらに飛躍していく中で、ヘルスツーリズム活動が今後ますます広がってほしい」と話す。
表彰式の記念撮影(前列中央に森理事長、その左に首藤竹田市長)