伊勢おもてなしヘルパーは11~13日、「伊勢おもてなしヘルパーDAY」を三重県伊勢市の伊勢神宮・内宮で実施した。砂利の参道や正宮手前の25段の石段を介助し、参拝をサポート。伊勢市におけるバリアフリー観光を推進する。
同組織は2015年に、着地型バリアフリー観光案内などを行う伊勢志摩バリアフリーツアーセンターや伊勢市、伊勢商工会議所、伊勢市観光協会、伊勢おはらい町会議、皇學館大學の六つの団体が連携して始動。障害者、高齢者の観光客が、伊勢神宮をいつでも安心して参拝できるように、有償ボランティア活動をしている。
今回のイベントは、観光庁の「地域独自の観光資源を活用した地域の稼げる看板商品の創出事業」の一環。伊勢おもてなしヘルパーDAYでは、事前に研修を受けた新規ヘルパーの研修を兼ねて、車いすを使用するモニター参加者(計14組)の参拝のサポートが行われた。イベントは全初日には伊勢市の鈴木健一市長が訪れ、ヘルパーを激励した。
伊勢おもてなしヘルパーの野口あゆみ事務局長は、「25年の大阪・関西万博開催時には、会場から近畿日本鉄道(近鉄)を利用して伊勢に来てほしい。33年には式年遷宮も行われる。誰もが訪れられるお伊勢さんにしたい」と思いを語る。今回の事業を通じて2期生30人の申し込みがあり、ヘルパーは計80人になった。
事業を支援するユニバーサルツーリズムアドバイザーの渕山知弘氏は、「全国の観光地で伊勢のような取り組みをする高齢者・障害者旅行相談窓口はすでに50団体以上存在する。地域の取り組みと観光事業者との連携がユニバーサルツーリズムの推進を加速する」と話す。
車いす利用者を引いて案内するヘルパー