ベトナムの人材受け入れ 全旅連、政府機関・大学と協定締結


 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連、多田計介会長)は8月30日、東京の都道府県会館で常務理事・理事合同研修会を開いた=写真。人手不足対策として、ベトナムの政府機関や大学と人材の受け入れ、交流に関する協定を締結したことを報告。ベトナムの有能な人材を旅館・ホテルに送り出す事業を早急に進める考えを示した。

 全旅連の正副会長と常務理事を務める47都道府県の旅館ホテル組合理事長、理事を務める専門委員会の委員長らが出席した。

 全旅連の竹村奉文アドバイザー(関東学園大学経済学部経済学科教授)がベトナムとの協定について説明した。それによると、ベトナムのハノイ大学と7月17日、「人材交流・教育プログラム開発事業等に関する覚書」に調印。ベトナムの政府機関・観光総局とは同19日、「人材交流に関する覚書」に仮調印した。10月にも本調印を行う予定だ。

 覚書によると、ハノイ大学とは両国の学識経験者らで組織する「越日高度人材育成委員会」を設置。同大の卒業生らが日本の旅館・ホテルで働くための教育プログラムの開発や就労支援を行う。プロジェクトにはホーチミン市国家大学人文社会大学など他の4大学も参加する予定。

 竹村アドバイザーは「外国人材は国内のさまざまな業種にとどまらず、少子化が進む他の先進国との取り合いになる」と、同事業に迅速に取り組む考えを示した。

 外国人労働者を巡っては、宿泊業などの人手不足対策で政府が来年4月にも新しい在留資格制度を設ける方針。これら外国人材受け入れに関する最新の情勢を観光庁観光産業課観光人材政策室の田口壮一課長補佐が説明した。

 研修会ではこのほか、全旅連が取り組んだ民泊問題に関する活動を総括。民泊営業の年間180日以内の規制や、各地の条例による上乗せ規制の制定など業界運動の成果を強調するとともに、3年後の法律見直しに向けて、違法民泊の営業や予約サイトへの掲載など、問題点を引き続き追及する方針を確認した。

 
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