ホテルオークラとロイヤルホテルが共同出資で新会社


固く握手する萩田社長(右)と佃会長=5月30日、ホテルオークラ東京

固く握手する萩田社長(右)と佃会長=5月30日、ホテルオークラ東京

 ホテルオークラ(東京・虎ノ門、荻田敏宏社長)とリーガロイヤルホテルを運営するロイヤルホテル(大阪市、川越一社長)が連携し、外資系ホテルの攻勢に対抗する。まず6月に共同出資で新会社を設立、両社の宿泊予約や広告宣伝などの業務を一本化する。今後、他のホテルにも参加を呼びかける。激化するホテル業界での生き残りを賭け、東西の大手ホテルが手を結んだ格好だ。

 5月30日、ホテルオークラ東京で荻田社長とロイヤルの佃孝之会長が会見し、発表した。

 新会社はオレンジマーケティングサービスジャパン。資本金9500万円で、オークラが55%、ロイヤルが45%を出資する。社長にはオークラの田口昌男執行役員(50)が就く。従業員は約50人で、本社は東京に置く予定。7月から業務を開始する。

 新会社は両社グループホテルの販売促進や広告宣伝活動、宿泊予約業務、顧客プログラムの相互乗り入れなどを手がけるとともに、独自の活動として、国内では(1)他ホテルの新規加盟誘致(2)海外独立系ホテルの日本市場でのマーケティングサービス代行──にも取り組む。

 今後は提携の範囲拡大も視野に入れ、「国内外ホテルチェーンとの提携によるグループ展開、人材の相互派遣や共同研修、備品の共同購入による価格交渉力の強化などにも取り組みたい」(荻田社長)意向だ。

 新会社設立で、両社が資本提携や経営統合にまで踏む込むか注目されたが、佃会長は「(企業)文化や制度の違いもあり(統合の成果が上がるには)時間がかかる」と述べ、可能性を否定した。

 両社を合わせたホテル数は国内外合わせて33。会員数はオークラが約24万人、ロイヤル約7万人で、顧客リストも共有することから、30万人を超える顧客基盤を持つグループになる。

 「外資が出てくる中で従来の延長線上では太刀打ちできない。規模のメリットを追求し、対抗していく」と佃会長。今後どういったホテルが参加呼びかけに応えていくの注目される。

 ホテルオークラ 1958年12月設立。資本金30億円、従業員数2513人。国内外にホテル23カ所を擁する。連結売上高は583億円(08年3月期)。

 ロイヤルホテル 1932年3月設立。資本金181億円、従業員数2855人。西日本を中心に全国で10カ所を展開するホテルチェーン。連結売上高は583億円(08年3月期)。

固く握手する萩田社長(右)と佃会長=5月30日、ホテルオークラ東京
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