帝国データバンクによると、フェリーチェ(大阪市)は、3月10日に大阪地裁から破産手続き開始決定を受けた。
同社は、2012年8月に設立。「FERICE」や「RELIEF」などのホテル名でホテル運営を手がけていた。全国に11ホテル(18年12月時点)を展開していたほか、ホテル内に飲食店を出店するなどし、19年12月期には年収入高約57億2400万円を計上していた。
しかし、日韓関係の悪化で韓国からの観光客が減少したことなどを背景に、19年12月期は営業利益段階で赤字を計上し、事業の縮小を検討し始めた。そうした矢先、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い緊急事態宣言が発出、休業を余儀なくされるなど急激に経営が悪化。他社への事業譲渡を進め事業縮小に着手していた中、感染拡大の影響が長期化し、先行きの見通しが立たず、20年12月31日までに事業を停止。21年1月に登記面本店を大阪市に移転し、2月19日に自己破産を申請していた。
負債は債権者約195人に対し約36億7300万円。なお、同社が運営していた一部のホテルは別会社によって現在も営業を継続している。