東京都台東区にある水月ホテル鷗外荘(和室39、洋室85)は、その名の通り明治の文豪・森鷗外旧居を保存している宿。名作「舞姫」を執筆した部屋や庭を宴席などに使えるようにしているため鷗外ファンの来館が多い一方で、出張ビジネスマン、家族客など幅広い層に支持されている。週に1回訪れる人、連泊する常連客も珍しくない。
京懐石レストラン「沙羅の木」で楽しめる「鷗外懐石」が好評のほか、 都内第一号の認定を受けた天然の「鷗外温泉」も堪能したい。重炭酸ソーダ泉の黒湯で、なめらかで肌にまとわりつく美肌の湯。古代檜漆塗り風呂、大理石風呂の趣の異なる浴室で利用できる。
同館では昨年の夏から秋口にかけて脱衣室、トイレ、レストラン個室をリニューアルした。工事は、旅館・ホテルを数多く手掛けるミサワホームイング(東京都杉並区)に依頼。営業を続けながら短い工期で仕上げた。
レストランの個室は、間接照明により落ち着いた雰囲気を演出。また、正面には不燃建具を採用。上部開口部をなくし、遮音性を高めた。トイレは女性用、男性用でカラーを分けながら質感をそろえることで統一感のある空間に変更。特にこだわったのは脱衣室で、「温泉を楽しまれるお客さまが多いため、以前から直したいと思っていた」と女将の中村みさ子さん。
二つある脱衣室ごとに風合いの異なる2種類のガラスタイルを採用し、照明には間接照明を採りいれた。畳の床、ガラス洗面器も特徴だ。常連客からは「きれいになって良かったねという声を、たくさんいただいています」と女将の中村さん。
この件についての問い合わせ先は、ミサワホーム旅館ホテルリニューアル担当TEL0120(398)330。