ヤマップは、山と街をつなぐウェブメディア「環(たまき)」を開設した。
「環」Webサイト:https://tamaki.yamap.com/
△▲ 背景と解決したい地域観光の課題
環が目指す理想の観光像は、旅行者が山の自然と街の文化、その両方を愉しむ旅。裏を返せば、今、山と街の観光は分断されていると言えます。登山に来た人は山だけ、街に来た人は街(特定のお店)だけ。YAMAPは山麓の自治体などにヒアリングをする中で、この課題感を捉えてきました。
もし、分断された山と街に旅行者の回遊が生まれたら。登山者を含む旅行者の地域における滞在時間は長くなり、比例して地域での消費が拡大。地域経済の活性化につながります。また、旅行者が自然とともに、歴史・文化・食、そして人と触れ合うことで、その土地への愛着が湧き、ひいては関係人口の増加にも貢献できると考えます。
登山アプリ「YAMAP」のコミュニティには、国内で最も多く登山者が集まります。まずは、YAMAPユーザーが、登山の前や後に麓の街の文化・歴史・食などを楽しむ。そこから、山と街と人が循環する新たな観光像を生み出したい。そんな考えから生まれたサービスが「環」です。
△▲ 環が持つ3つの特長
環は、旅行者が山の自然と街の文化、その両方を楽しむための3つの要素で成り立っています。
①山と街をつないだオリジナルルートの提案
山が持つ自然の魅力と、街が持つ歴史・文化・食・温泉などの観光資源に焦点を当てた「山と街を巡るルート」をエッセイ記事で紹介します。書き手は、低山トラベラーの大内征、ソーシャルハイカーの武石綾子などが担当。「ただ山に行って終わり」でない、山の自然と麓の街の文化を巡る新しい山旅を提案します。
②山歩きの前後で立ち寄りたいおすすめスポットの紹介
山旅の記事内で紹介されたルート周辺のお店や施設の詳細情報を掲載。「温泉や食事処のWeb情報をまとめるだけ」で終わらせず、スタッフが現地まで足を運び、自身の五感で体験したものだけを掲載しています。
③お得な特典を受けられるクーポンの提供
上記で紹介したおすすめスポットで使えるクーポン機能を、YAMAPアプリに搭載いたします。内容は入浴料金の割引やドリンク1杯無料など、YAMAPユーザーは加盟店・施設で様々なサービスを受けることができます。
△▲ 魅力的な7地域からのスタート。自治体からは期待の声も
以下の7エリア・山域の情報掲載からスタートいたします。
・福島県二本松市/安達太良山
・長野県小谷村/雨飾山
・長野県大町市/鷹狩山
・山梨県甲府市/羅漢寺山
・岐阜県高山市・飛騨市/乗鞍岳
・兵庫県神戸市/六甲山
・鳥取県大山町/伯耆大山
自治体からのコメント
岐阜県飛騨県事務所 観光係長 齋藤由宏 氏
岐阜県では飛騨高山や世界遺産白川郷など、従来の「歴史・伝統文化」を中心とした周遊観光に、大自然の魅力を加えた「トレッキング・ツーリズム」の充実を目指しています。今回スタートする「環」が地域循環のひとつの要となり、岐阜の山と街、そして旅行者と地元民をつなげてくれることを期待しています。
△▲ ポスト2020のインバウンド観光、オーバーツーリズム解消へも
今後、環はインバウンド観光や三大観光地ではない地域観光への貢献を目指します。
観光立国には「気候」「自然」「文化」「食事」という4つの要素が重要と言われています。環は、日本の国土の7割を占める山岳エリアが有する「気候」や「自然」をベースに、麓の「文化」「食」などの情報を織り交ぜながら、掲載エリアの拡大と多言語化を進めていきます。
国内マーケットへの訴求はもとより、近年問題視されるオーバーツリーズムの解消や、ポスト2020観光の糸口となるべく展開をしていく予定です。
【YAMAPについて】
電波が届かない山の中でも、スマホのGPSで現在地とルートが確認できる“安心・安全”の登山アプリ。ユーザーが実際に山を歩いた軌跡や山で撮った写真が、活動記録として日々投稿されているので、山の情報収集や登山者との交流にも役立ちます。