エコツーリズムの活性化などが期待されるユネスコエコパーク(生物圏保存地域)に只見(福島県)と南アルプス(山梨県、長野県、静岡県)の新規登録が決定した。すでに登録されている志賀高原(群馬県、長野県)の地域の拡張も決まった。10〜13日にスウェーデンで開かれた国際会合で審議されていた。
ユネスコエコパークは、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)が制定した制度。生態系の保全と持続可能な利活用を通じた自然と人間社会の共生を目的としている。
只見は、福島県只見町の7万8032ヘクタールが登録地域(一部に福島県檜枝岐村を含む)。山地にはブナなどの原生的な林が広がり、2008年には世界ブナサミットも行われている。山地周辺には里山があり、農林水産業やエコツアーが行われている。
南アルプスは、3県の10市町村に広がる30万2474ヘクタールが登録地域。山地帯から高山帯に至る典型的な植生の分布が残され、周辺では茶や果樹の栽培のほか、環境教育やエコツアーが展開されている。
1980年にユネスコエコパークに登録されている志賀高原は、登録地域が従来の1万2700ヘクタールから3万300ヘクタールに拡張された。2県の5町村にまたがっている。亜高山帯には針葉樹林や高層湿原などの豊かな自然が残る。トレッキング、スキー、温泉などが楽しめる観光地でもある。
2地域が加わり、日本国内のユネスコエコパークは計7地域に増えた。他の登録地域は、白山(石川県、岐阜県、富山県、福井県)、大台ケ原・大峰山(奈良県、三重県)、綾(宮崎県)、屋久島(鹿児島県)。