文化政策の定量的な評価を可能にしようと、ユネスコ統計局と国連統計部が文化の世界標準化に向け動いている。10月31日~11月2日には日本で初めての会議が開かれ、日本政府がプレゼンテーションした。
この会議は、ユネスコCSA(文化サテライト勘定)技術諮問委員会運営委員会とユネスコ統計が共同開催した。文化庁や観光庁など後援。
初日の31日は神奈川県鎌倉市の建長寺で行われ、政府が日本の文化政策についてプレゼン、世界標準の枠組み合意へ日本の立場などを説明した。1日は東京・永田町の衆院第1議員会館に場を移し、会議と各国から来日した会議メンバーの日本文化の体験を実施。
体験は着物の着付けや茶道、書道=写真=で、慣れぬ正座や筆の使い方に戸惑いを見せていたが、メンバーの1人は「日本の貴重な文化を体験できて良かった」と笑顔をみせていた。
2日は静岡市の久能山東照宮で体験ツアーなどを行った。
会議は、来年にユネスコ統計局が国連統計部と協力し、文化の経済的貢献を定量分析する世界標準方法を推奨するため、「文化サテライト勘定」の策定を行うもので、関係者によると「経済における文化の役割を世界的に比較することが可能になる、重要な会議の初会合」という。
世界標準の策定により、文化の経済活動や規模が数値化され、観光と貿易統計と密接に関わる世界各国の文化政策の戦略が明らかになる。