『旅館・ホテルの売り上げはまだ120%伸ばせる』
今や日本の国民食ともいえるラーメン。インバウンド観光客からも大好評で、活況を呈していると思われている業界だが実情はまったく異なる。ピーク時、7千億円あった市場規模はコロナの影響で4300億円まで縮小し回復には至っていない。ラーメン店の倒産ニュースが毎日報道される中、本格的なスープを安価で提供し、不振に陥っている店舗の再生を手掛けている会社が東京都足立区にあるクックピットだ。「ラーメン業界の常識を変えるスープメーカーの風雲児」ともいわれる同社の取締役副社長の外園史明氏に、次の重要市場と捉える宿泊業界への販売手法などを聞いた。
取締役副社長の外園氏
――スープを作っている会社の特徴は。
「2種類あり、弊社のように骨から炊き上げたストレートスープをそのまま届ける会社と、物流費節約のためスープを濃縮したり、エキス化している会社。エキス化スープは高級カップラーメンのスープのイメージです」
――クックピットのスープの特徴は。
「ストレートスープをそのまま届けるので物流費はかかる(笑)。しかし評価は高く、全国約2千店舗で採用され、リピート率は92・8%。提供先には、ミシュラン受賞店舗もある。スープは、白湯スープが基本で添加物を一切使用せず、どんなスープも常圧釜で炊き出します。提供先の外資系ラグジュアリーホテルからは、毎月メニューを変えたいとお願いされているが、弊社はベーススープがあるため、タレを変えるだけで無限にメニュー変更が可能です」
――販売手法は。
「弊社は創業19年目で、代表取締役社長の本間義広が本格的なラーメンスープを開発し、評判も良かったが、販売手法に課題があった。数年前までは全国150店舗程度の採用にとどまっており、そのため、自身が経営に参画してから、マーケティングを重視した販売戦略に転換し、採用件数が格段に増えました。以前、自身の漫画をマーケティングの力で展開し、数多くのヒット漫画を作ってきた手法を応用。本社事務所には約20人のスタッフが在籍し、主にマーケティングを担っています。特徴は、今まで食品業界に携わっていないチームのため業界の常識に捉われていません。採用店舗には無償で店舗運営のマーケティングを施し、約2倍の売り上げ増や、月商1千万円を超える人気店に変貌した店舗も多数あります」
――宿泊を重要なマーケットと捉えている。
「ホテルや旅館が、さらに売り上げを伸ばすには、宿泊客をいかに外に出さないかを考える必要があるんじゃないかと思う。要は夕飯や夜食を外食せずにホテル内で完結させるのだ。特にインバウンド客は日本のラーメンに関心が高い。ホテル内で本格的なラーメンを食べられるのであればそこにさまざまなビジネスチャンスが広がっているのではないだろうか。私たちなら新たな市場を創造可能。採用してもらえれば売り上げを120%伸ばせると思っています」
問い合わせ先は、クックピット株式会社TEL03(6803)1952。https://cookpit.jp/
骨から炊き上げたストレートスープをそのまま届ける