コンサルタントのリョケンは9月9、10日、新潟県湯田上温泉のホテル小柳で今年2回目、通算140回目の「旅館大学セミナー」を開いた。会場となったホテル小柳の野澤幸司社長(写真)が「現場主義を活かした経営戦略」と題して講演したほか、旅館の若手経営者4氏が「集客対策あの手この手」と題してパネルディスカッションを行った。
ホテル小柳は昨年、創業95周年を迎えた客室65室、収容350人の旅館。県内客を中心とした宿泊宴会需要に対応した料理企画とサービスで多くのリピーターを得ている。昨年7月には顧客の個人化に対応して食事どころ「味彩厨房ゆごや」をオープン。夕食のほかランチ営業も展開し、集客に実績を上げている。
講演で野澤氏は、同館の野澤隆義専務、リョケンの福地紀之本部長とともに自館の経営戦略と設備投資の概要を説明。「料理展開による直(予約)対策の強化が必要」との認識で料理プランに力を入れ、「四大味覚会席」と題する宿泊プランや、温泉入浴とランチを合わせた「温泉deランチ」プランを展開。ランチが予想以上の売り上げを上げているほか、宿泊客ひとりあたりの飲料売り上げが食事どころオープン前に比べて上昇しているなどの実績を披露した。
パネルディスカッションは菅野豊臣・ホテル華の湯(磐梯熱海温泉)常務、谷口徹・扇芳閣(鳥羽)専務、利光伸彦・大阪屋ひいなの湯(加太淡島温泉)専務、今津一也・ホテル金波楼(城崎日和山温泉)取締役が登壇。セールス活動、直販対策、旅行社対策、インターネット販売への取り組みなど、集客力を高めるために自館が行っている事例を説明した。