富士山麓で200年超の歴史を持つ文化財「岳麓翠苑」(山梨県富士河口湖町)が9月30日、1日1組限定の一棟貸し宿泊施設として開業する。
岳麓翠苑は、約500年の歴史がある井出本家(井出醸造店)から204年前に分家し、文化庁登録有形文化財の母屋と富士河口湖町指定有形文化財の長屋門から構成される。地元では井出新宅と呼ばれ親しまれてきた。
井出新宅の現在の当主は6代目で、富士レークホテル(同)の3代目に当たる井出泰済氏。このほどの改修で、同施設は井出家に受け継がれてきた芸術品を鑑賞でき、歴史的な建築空間とモダンアートの融合を体感できるなど、日本文化や富士山文化に触れられる宿泊施設となった。
1階リビング・ダイニングには大型テーブルとイス8脚を用意。食事やデスクワーク、ミーティングなどでの使用を想定しており、宿泊者はテレビをモニターとして活用することで会議や研修も開催できる。同階には三間続きの和室、各種用具や什器を備えるキッチン、ヒノキを潤沢に使用した浴室を整備し、古き良き日本家屋の風情と最新設備の快適性を併せ持つ滞在空間を創出した。温泉を希望する場合は、富士レークホテルの大浴場や貸し切り風呂をオプションで利用できる。
2階には2人定員のベッドルームを3室整備。ブラインドや布団、ベッドスローには地元の素材やメーカーの製品を採用している。
宿泊定員は6人だが、「企業研修や会合、結婚式など、イベント行事にも広く対応する」と同館。
料金は1棟貸し切り30万円(消費税別)から。年齢制限は12歳以上で、駐車場は6台。登録有形文化財保護のため、敷地内では禁煙、ペット不可。8月30日から予約開始。
母屋
リビング・ダイニング