
2025年日本国際博覧会協会会場運営プロデューサーの石川勝氏
博覧会協会の石川氏が講演
ツーリズムEXPOジャパン(TEJ)開催初日の10月26日、インテックス大阪国際会議ホール(大阪市)で、2025年日本国際博覧会協会会場運営プロデューサーの石川勝氏が基調講演を行った。テーマは「新たな時代の万博を共に創ろう」。草創期以降の万博の歴史や役割をひも解いた上で、大阪・関西万博での「万博DX」などの取り組みを紹介し、未来社会につなげる課題解決型万博の意義を説明。50年後にも語られる万博の実現を訴えた。
石川氏は「万博は時代の合わせ鏡」と定義。1851年にイギリス・ロンドンで開催された第1回万国博覧会から、各回の万博で建築や観光分野でのイノベーションが起こったことや1871年のウイーン万博への明治政府の公式参加後から日本国内でも内国勧業博覧会が開かれるようになったことなどを紹介。その上で、初期の万博が国家主体、「国家の繁栄」を示すものだった一方で、1970年の大阪万博前後には企業による「豊かな暮らし」を示すものに変化。さらに2000年ごろからは「課題解決への道」を示すものとなり、「到達点」から「出発点」を示すようになったと解説。愛知万博では環境問題で成果を挙げたものの、混雑などの課題が露呈した点を指摘した。
その上で大阪・関西万博では、万博DXにより「並ばされない、快適な万博」の実現に取り組むほか、ドバイ万博で課題解決型万博として効果的な取り組みとなった「テーマウイーク」の形態を継承していくこと、キャッシュレス決済の導入や「未来社会ショーケース事業」を通して新技術の紹介や社会への普及、浸透を図ることなどを説明した。
会員向け記事です。