三井物産は24日、WeChatと連携して訪日中国人観光客にワンストップ型のスマート観光ソリューションを提供すると発表した。テンセントクラウド、中部国際空港利用促進協議会と共同で名古屋市を始めとする中部地方の観光振興を促すワンストップ型のスマート観光ソリューションを構築するプロジェクトを推進する。ポスト・パンデミック時代に向け、日本各地のローカル企業や観光事業者が中国のみならず、世界各国からの旅行者にリーチできるよう支援する。
中国は日本の観光業に最も貢献していると考えられており、新型コロナウイルス感染症が発生する以前の2019年には、中国から約960万人の観光客が日本を訪れている(注1)。世界的に渡航規制措置がとられた2020年には大幅に減少したものの、中国からの旅行者は約110万人を数え、訪日外国人旅行者の中で最多となっており、中国人旅行者を対象とする日本観光業の復興と振興支援を行う必要性が示されている。
ワンストップ型のスマート観光ソリューションとして提供されるテンセントクラウドの革新的なテクノロジーにより、中部国際空港利用促進協議会および三井物産株式会社は、テンセントのSNSアプリ「WeChat(ウィーチャット)」のミニプログラム(アプリ上で動作するインストール不要の軽量アプリ)を通じて、観光ルートや観光名所の提案、ショッピングやグルメ情報、名古屋や中部地方のイベント開催日程など旅行・文化コンテンツのレコメンドを行うことで、外国人旅行者と観光地のつながりを深めることが期待される。
今回の協業により、月間アクティブユーザーが12億人以上いるWeChatおよびWeChat中国国内版「微信」のユーザーという基盤、テンセントクラウドの高度なテクノロジープラットフォーム、強力なデジタルマーケティングサービス能力を活用し、ワンストップ型のスマート観光ソリューションを実現していく。具体的には、旅行情報のリサーチに加え、翻訳サービス、税金還付、観光マップ、緊急情報へのアクセスなど様々な機能を備えている。中国人観光客はミニプログラムを使用することで、中部地方の観光をより気軽に楽しむことができるようになる。
テンセントクラウドのインターナショナルシニアバイスプレジデントであるポシュー・イェン(Poshu Yeung)は以下のように述べている。
「パンデミック関連の課題に対応して、世界の観光業を支援するという当社のミッションの一環として、中部国際空港利用促進協議会および三井物産株式会社と協業し、訪日外国人旅行者、特に中国からの旅行者に向けたワンストップ型のスマート観光ソリューションを提供できることを嬉しく思います。世界中のあらゆる場所で観光、旅行、ホスピタリティ産業を十二分にサポートするテンセントクラウドの高品質で高性能な技術を披露できる新たな機会を楽しみにしています」
三井物産株式会社ICT事業本部長である小日山功氏は以下のように述べている。
「テンセントクラウドが提供するワンストップ型スマート観光ソリューションは中国観光客をはじめとする訪日外国人旅行者の観光時のニーズに応えることができるほか、自治体や観光関連事業者にとってもデジタルの力を通じて外国人旅行者に効果効率的に地域の魅力を発信できる先進ツールでもあります。三井物産はテンセントとともにアフターコロナに向け、同ソリューションをはじめとするサービスを通じて、日本の自治体、観光関連事業者の観光DXをより一層サポートしていきます。」
三井物産は今後、他の自治体やDMO向けにも同様のソリューションを提供していく予定だ。