三宅島、2輪レースで観光復興へ


 火山の噴火による避難指示の解除から今月で丸2年を迎えた東京都の三宅島。現在、噴火前の人口の7割にあたる約2900人が島に戻っているが、年間観光客は以前の約半数にとどまっている。三宅村は、基幹産業である観光をはじめ各種産業の復興に向けて、今年11月、日本初という一般道路を使用した本格的なオートバイレース大会を開催する。実行委員会が組織され、大会名称の募集を開始するなど準備が進められている。

 大会は11月9~11日の予定。コースは島を周回する約30キロメートルの一般道路。レースのほか、著名ライダーのエキシビジョン走行などの各種イベントも検討中。レース規則や出場者募集など計画の詳細は4月をめどに発表する。大会名称は一般公募中で3月30日の「東京モーターサイクルショー」の会場で結果を公表する。

 三宅島オートバイレース実行委員会、三宅村を中心に、東京都の全面支援、日本モーターサイクルスポーツ協会の協力で開催。実行委員会は昨年12月に発足、1月26日にはホームページを開設、今後はNPO法人化を目指している。

 公道のオートバイレースでは、モナコGP、マカオGP、英国のマン島TTレースなどが世界的に有名。三宅島の大会は、産業復興のはずみにするとともに、これらのレース同様、世界の注目を集める大会として成功が期待されている。

 特に同じ離島という条件下で開催されるマン島TTレースは1907年開始という歴史ある大会で、昨年6月には三宅村の平野祐康村長、石原慎太郎都知事らがレースを現地視察している。

 三宅村復興政策室の宮下亮観光振興係長は「オートバイレースは、三宅島観光のアピールにつながる。もともと釣りやスキューバダイビングなど島の自然を生かした観光でリピーターを増やしてきた。こうしたリピーターを呼び戻していきたい」と語った。

 現在、三宅島の宿泊施設は噴火以前の半数の約40軒が営業しているが、年間観光客は約半数の4万人前後と回復には至っていない。地元では署名活動を行うなど、航空路の早期再開なども要望している。

 
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