三菱レイヨンのグループ会社で、浄水器や医療用の水処理装置を販売する三菱レイヨン・クリンスイは11月上旬、人工炭酸泉製造装置「カーボセラ・スタンダード」を発売する。独自の膜ユニットの採用で、小型化と大幅なコストダウンを実現したという。
新製品は、据え付け型の人工炭酸泉製造装置。高濃度の人工炭酸泉を製造する機能はそのままに、同社の従来品「ソーダバス」に比べて装置本体の小型化を実現した。今まで屋外に取り付けていた装置を、室内に設置できるようにした。
炭酸ガスを湯に効率的に混ぜ込む膜面積の大きいユニットの採用で、従来品で使用していた電装部品の簡素化にも成功。販売価格は、40万円ほどと大幅なコストダウンも実現した。
炭酸泉のなかでも、1リットルの湯に1千ミリグラム(1千ppm)以上の炭酸ガスが溶けた高濃度炭酸泉は、炭酸温浴による生理学的な効能が特に高いと言われる。しかし、入浴用に大量に保存することや、輸送することが難しいうえ、炭酸ガスを高濃度で湯に溶かし込むことも難しいとされてきた。
同社では、長年の炭酸泉研究と炭酸ガスモジュールを使用した特許技術により、世界で初めて高濃度炭酸泉を人工的に製造する装置の開発に成功。導入実績は全国約1500カ所。温泉旅館をはじめ温浴、美容施設や病院、介護施設といった業務用途から一般家庭まで、幅広く導入している。
同社では、「小型化に加え、販売価格が安価なことから、まずは民生用として売り出すが、温泉旅館などにも使ってもらえる」と話している。
この件についての問い合わせ先は、炭酸泉サービスセンター(TEL0120・55・9871)。
設置のイメージ(商品発表会で)