帝国データバンクによると、今年上半期(1〜6月)のホテル・旅館経営業者の倒産(負債1千万円以上の法的整理)は55件で、前年同期と同数になった。月ベースでは平均9.2件で、年間100件を上回るペースで推移している(前年は109件)。「リーマン・ショック後の景気低迷や東日本大震災による観光不況の影響を受けて客足が減少するケースや、過去に設備投資として借り入れた金融債務が経営を圧迫するケースが散見される」(同社)。
負債総額は451億2200万円で、前年同期比0.2%減少した。
倒産件数を地域別にみると、中部が12件で、構成比21.8%とトップ。以下、関東10件(同18.2%)、近畿8件(同14.5%)、東北と九州が各6件(同10.9%)と続く。2010年以降は中部が最多となっており、近年の倒産は同地域に集中している。
都道府県別では北海道、栃木、長野が各4件で最多。「北関東では東日本大震災の影響により倒産に至るケースが多く、今後も同地域を中心に震災関連倒産が出る可能性はある」(同社)。
規模別では、負債「1億円以上5億円未満」が20件で最も多い。「5億円未満」の倒産は全体の67.3%を占めた。負債50億円以上の大型倒産は2件発生している。
態様別では、破産が42件、構成比76.4%と最も多い。特別清算の7件と合わせて事業継続を前提としない清算型の倒産が89.1%となった。