今年は下呂市合併10周年と高山本線開業80周年を記念し、徳島市阿波踊り振興協会の「阿波踊り連」の16連の代表ら約30人が特別参加。華やかな踊りが披露され、祭りを盛り上げた。
また、山伏を先頭に「万里集九」「烏天狗」「旅装束」「猿田彦」らが下呂駅前から温泉神社まで参進行列。「御前太鼓」と「獅子舞」を奉納。下呂芸妓連による「白鷺の舞」に、沿道から大きな声援が飛んだ。
下呂温泉の名を高めた江戸時代初期の儒学者、林羅山公の遺徳を偲ぶ銅像前で鏡開きが行われ、県内外から訪れた観光客らに「ふるまい酒」や「せんごまき(紅白餅)」がまかれた。白鷺橋上では阿波踊りの飛び入りコーナーが設けられ、この日は下呂温泉挙げての1日となった。
直会で、同神社の氏子総代、滝多賀男下呂温泉旅館協同組合理事長は「御嶽山噴火口から約40キロ離れており被害はほとんどなかったが、報道による風評被害が発生、対応には苦慮した。一方、地方創生が注目されているが、国には特色ある日本の伝統文化、芸能を教育の一環とする予算を組んでもらいたい。インバウンドの取り組みは重要だが、地方の活性化が急務。地域が主役となった振興策の強化を真剣に考えなければならない」とあいさつした。
下呂温泉のさらなる飛躍を誓い、積田朋子観光経済新聞社社長が乾杯の音頭をとった。
出羽三山は山形県の中西部にある月山、湯殿山、羽黒山の三つの霊山の総称。開祖は蜂子皇子で約1400余年の歴史をもつ。西の伊勢参りに対し「東の奥参り」と言われ、関東以北最大の庶民信仰を集めた。
岐阜県とも縁の深い、俳諧・松尾芭蕉の奥の細道紀行では「語られぬ湯殿に濡らす袂かな」と詠っている。なお、湯殿山神社のご神体は霊岩、分霊の箱根越えは初めて。