下呂温泉観光協会(岐阜県下呂市)は5月26日、同温泉の水明館で総会を開き、市内への年間宿泊客数100万人を目指すなど、2022年度の事業方針を確認した。任期満了に伴う役員改選では瀧康洋会長(水明館)を再選した。
コロナ禍でリアルでの総会は3年ぶりとなった。瀧会長はコロナ禍の2年間を振り返り、「環境の変化に遅れず手を打ち、厳しい状況を乗り越えてきた」と報告。地域DMOとして、協会の誘致宣伝委員会を中心に市場調査と調査結果に基づくセールス・宣伝活動を展開。21年度の下呂温泉への宿泊客数は58万2564人。前年度比13.7%増、コロナ禍前の19年度比は43.9%減と厳しい中でも健闘した。
22年度も引き続き、客観的データに基づいたマーケティング活動を強化。誘客拡大とともにエコツーリズムなど着地型体験促進事業の推進で顧客の滞在時間増加、域内消費の拡大を目指す。
来賓あいさつでは観光経済新聞社主催「にっぽんの温泉100選」の1位奪取に向けたエールが送られた。下呂市の山内登市長は「観光協会とわれわれ(行政)は方向性が一緒だ。(1位獲得へ)気概をもって取り組みたい」。岐阜県商工労働部観光国際局の丸山淳局長は「温泉100選第2位と特別賞を受賞するなどプロから評価される温泉地。今後も地域一丸となった観光地づくりとおもてなしを」と古田肇知事のあいさつを代読した。
議事に続いて瀧会長が下呂市の今後の観光戦略をテーマに講演。「コロナ禍でプロモーションを近場に集中させ、ダウンの比率を抑えることができた。マーケットの変化を見ながら素早く対応することが大事だ」と、協会が進めるマーケティング戦略の有効性を改めて強調した。
再選が決まった瀧会長(壇上)