中学生が修学旅行先で「旅先クイズ会」、外国人旅行者と交流


外国人旅行者との交流を深める中学生

 千葉県の船橋市立宮本中学校の3年生26人が5月22日、修学旅行先の錦市場(京都市)で、ツーリストシップ(同、田中千恵子代表)主催の旅先クイズ会にスタッフとして参加した。大勢のインバウンド客を相手に、フリップなどを使って、錦市場を観光する時のマナーなどを題材にしたクイズを出題。持続可能な観光の在り方を学ぶとともに、外国人旅行者との交流を楽しんだ。

 同校の修学旅行を担当する廣田尚之教諭が、総合学習でのSDGs学習の一環として、京都市内の企業からSDGsの取り組みについて聞きたいと考える中で、ツーリストシップの活動を知ったのがきっかけ。約30人ずつ10コースに分かれて企業に話を聞く計画の中の1社としてツーリストシップを選んだ。

 ツーリストシップではこれまでも、SDGsや「楽しい旅行とは」などのテーマでの事前学習を請け負ったり、京都に修学旅行に来た学校を対象にワークシートを使った錦市場での観察学習などを行ったりしてきたが、旅行中の生徒に、現地の歴史や観光マナーに関するクイズを出して交流と啓蒙を図る「旅先クイズ会」を体験してもらう取り組みは初めて。
 田中代表から、京都のオーバーツーリズム問題やツーリストシップの考え方などについて講義を受けたほか、4班に分かれて錦市場を散策。

 マナー順守を訴える掲示物を探したり市場の魅力を考えたりするフィールドワークを行ったり、旅先クイズ会のスタッフとして「錦市場にはごみ箱がある。〇か×か」など、錦市場の歴史や観光マナーに関するクイズを旅行者に出したりした。
 中学生の英語でのコミュニケーション力は十分ではなかったものの、フリップの英文を読むなどしてクイズを出題。クイズに参加した旅行者からの協力や「Good!」の声に、生徒たちからは笑顔が見られたという。

 廣田教諭は、「旅行前は生徒も私も、ツーリストシップのイメージがつかみにくかったのだが、田中さんの実体験を交えた話が生徒に響いたようだった。たくさんの外国人とコミュニケーションするという非日常体験も良かったが、旅行者が持つべき気遣いなどは、お互いが気持ちよく過ごせるようにするための心配りであり、普段の学校生活にも落とし込めるのではないか」と語った。

 田中代表は「オーバーツーリズムの進行でメディアは悪い旅行者が多いと取り上げるが、今回のフィールドワークを通して、予想以上にマナーを守る『良い旅行者』に会えたと感じてもらえたのではないか。地元と旅行者が互いに寄り添うことが大事だと理解してもらえたら」と話す。

 ツーリストシップでは従来請け負ってきた修学旅行の事前、事中学習の料金体系を見直し、1団体5万円ほどで実施する考え。田中代表は「予算の制約がある公立の学校でも利用しやすくし、ツーリストシップのすそ野を広げるきっかけにしたい」と意欲を語った。


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