日本政策金融公庫は11月26日、中小企業景況調査報告の今年11月調査分を公表した。それによると、同月の中小企業の売上DIはマイナス11.8で、前月から4.5ポイント上昇した。ただ、29カ月連続でマイナス値が続いている。同公庫は中小企業の景況を「一部に持ち直しの動きがみられる」として、前月の判断を据え置いた。
調査は11月中旬、3大都市圏(首都圏、中京圏、近畿圏)の同公庫取引先900社に行った。有効回答数は542社で回答率60.2%。
売上DI(増加とする企業割合から減少とする企業割合を引いた値、季節調整値)は今年2月のマイナス44.6を底に回復基調にあるが、依然としてマイナス値が続いている。
最終需要分野別では、家電関連(OA機器等を含む)が18.6、乗用車関連(二輪車を含む)が10.3と、プラス値を記録。家電関連は前月のマイナス11.9からプラス値に転換。乗用車関連は前月の24.2から数値を減らしたものの、プラス値を維持した。
このほか、衣生活関連(前月比22.8ポイント低下のマイナス33.4)、建設関連(同0.7ポイント上昇のマイナス26.3)、食生活関連(同13.6ポイント低下のマイナス14.2)、設備投資関連(同21.7ポイント上昇のマイナス2.6)はマイナス値となった。
今後3カ月の売上見通しは、全業種でマイナス5.0。前月の1.9から6.9ポイント低下し、3カ月ぶりにマイナス値となった。
最終需要分野別では、設備投資関連(19.5)、家電関連(16.6)、乗用車関連(10.7)がプラス値。
建設関連(マイナス26.7)、衣生活関連(マイナス25.9)、食生活関連(マイナス7.5)はマイナス値と、厳しい見通しとなった。
このほか、全業種の利益額DI(季節調整値)はマイナス12.9で、前月から0.6ポイント低下した。