日本政策金融公庫はこのほど、全国中小企業動向調査の4~6月分を公表した。小企業の業況判断DIは前期(1~3月期)比29.3ポイント減のマイナス73.7、中小企業の業況判断DIは同34.3ポイント減のマイナス58.7と、ともに大きく悪化した。景況判断は小企業、中小企業ともに「急速に悪化し、極めて厳しい状況にある」と、前期の「大幅に下押しされ、厳しい状況になってきている」から判断を下方修正した。
小企業(原則従業者20人未満)の業況判断DI(良いと回答した企業割合から悪いと回答した企業割合を引いた値)は、昨年7~9月期(マイナス26.0)から下降基調にあり、来期(今年7~9月期)もマイナス77.0と、さらに落ち込む見通しだ。
非製造業7業種を見ると、飲食店・宿泊業が同34.7ポイント減のマイナス93.2、サービス業が同36.6ポイント減のマイナス79.2、小売業が同19.3ポイント減のマイナス73.3、運輸業が同22.0ポイント減のマイナス77.6など、全ての業種が大きく低下した。
来期は飲食店・宿泊業が今期比3.7ポイント増のマイナス89.5。サービス業(同6.1ポイント増のマイナス73.1)と運輸業(同1.1ポイント増のマイナス76.5)も上昇で、ほかの4業種は低下を見込んでいる。
10の地域別では、九州(同35.4ポイント減のマイナス70.3)をはじめ、全ての地域で20ポイント以上低下した。
来期も10地域全てが低下の見通し。
当面の経営上の問題点を見ると、「売上不振」が65.6%と最も多く、次いで「利益減少」(同15.8%)、「求人難」(同6.3%)と続く。
中小企業(原則従業員20人以上)の業況判断DI(前年同期比で好転と回答した企業割合から悪化と回答した企業割合を引いた値、季節調整値)は、昨年1~3月期から下降傾向。ただ、来期の今年7~9月期はマイナス57.5、来々期の今年10月~12月期はマイナス43.7と、上昇の見通しだ。
業種別では、宿泊・飲食サービス業が前期比29.2ポイント減のマイナス99.0と大きく落ち込んだ。
9の地域別では、前期から全て低下。来期は関東、東海、近畿、九州の4地域で上昇の見通し。
当面の経営上の問題点を見ると、「売上・受注の停滞、減少」が68.9%と最も多く、次いで「求人難」(同10.8%)、「人件費や支払利息等の増加」(同2.7%)と続く。