中小企業19年見通し、業況DI前年比減 不安要素は人材不足 


 日本政策金融公庫はこのほど、同公庫取引先の中小企業に「2019年の景況見通し」を聞いた。改善と回答した企業割合から悪化と回答した企業割合を引いた業況判断DIは5.4と、18年の実績(11.0)から5.6ポイント低下した。経営上の不安要素として、「人材の不足、育成難」が「国内の消費低迷、販売不振」を上回り1位となった。

 19年の業績見通しを改善とした企業割合は21.1%、悪化とした企業割合は15.7。このほか横ばいが63.2%だった。改善から悪化を引いたDIは5.4。

 一方、18年の業績を改善とした企業割合は28.3%、悪化とした企業割合は17.3%だった。DIは11.0で、19年見通しの5.4を上回る。

 19年のDIを6の需要分野別に見ると、食生活関連が前年のマイナス4.7から19.7、建設関連が前年の7.0から10.6と、それぞれ上昇。設備投資関連、乗用車関連、電機・電子関連、衣生活関連の4分野は低下した。

 19年に向けての不安要素を三つまでの複数回答で挙げてもらったところ、「人材の不足、育成難」が65.3%と最も多く、前年1位の「国内の消費低迷、販売不振」(63.6%)を上回った。3位以下は、「原材料価格、燃料コストの高騰」(52.0%)、「海外経済の減速による輸出減少」(18.8%)、「金融動向(金利上昇、調達難)」(13.8%)など。

 業況改善に向けて19年に最も期待する要素は「20年予定の東京五輪に伴う需要の発生」が17.3%でトップ、「19年予定の消費増税に伴う駆け込み需要の発生」が17.0%で2位となった。以下は「原油価格の下落によるコスト低下」(10.9%)、「株高や所得の増加による消費マインドの改善」(10.3%)など。

 調査は三大都市圏の同公庫取引先900社に実施。このうち572社から有効回答を得た。

 
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