九州運輸局と九州観光推進機構は連携して3〜7日の期間、近年、韓国で旅行市場の大きな柱となっている娘と母で行く「親孝行旅行」をテーマに韓国のメディアを招へいした。「九州は『温泉』『美肌』『ワンランク上のくつろぎ』といった韓国の親孝行旅行で重視される要素を提供できる」(運輸局、推進機構)。この強みを生かし、ワンランク上の旅行を楽しみたい富裕層などの親孝行旅行者の需要を取り込む。
招へいしたのは94年にミスコリアを獲得し、現在フリーアナウンサーとして活躍するハン・ソンジュさんとその母のほか、韓国の公共放送「KBS」の情報番組担当者ら計6人。日程は、20代後半から40代までの仕事を持つ娘と母との旅行で好まれる「ワンランク上のくつろぎ」「温泉」「美食」「美肌」といった要素を取り込んだ。一行は3日に福岡空港から日本に入り、唐津や嬉野を訪問。高級旅館に宿泊した後、長崎のグラバー園やハウステンボスを見学し、7日に帰国した。
取材に同行した九州観光推進機構によると、ハン・ソンジュさん母娘は何度も日本を訪問するほどの日本好きだが、佐賀の高級旅館でのおもてなしに深く感動。「美肌になる温泉や庭、建物のつくりのほか、料理に使われる有田焼や唐津焼の食器まで素晴らしい。特に女将や主人が韓国語で対応してくれたことにホスピタリティーを感じた」と語ったという。
これまで九州は韓国人にとって地理的に近く手ごろな旅行先という認識だった。九州運輸局と九州観光推進機構では、ワンランク上のくつろぎが得られる旅先としても注目してもらえるよう、今後もロハスやトレッキングといったゆったりとした滞在を楽しめる富裕層向けの観光資源をアピールしていく方針だ。