「超高齢社会型万博でUT思考は必須」
亜細亜大学経営学部ホスピタリティ・マネジメント学科(東京都武蔵野市)は2月6、7日、高齢者、障がい者も楽しめる旅を学ぶ「ユニバーサルツーリズム(UT)実習」を行った。講師にUTアドバイザーでオフィス・フチの渕山知弘代表を招き、東京都アクセシブルツーリズムモデルコースを車いすなどで試走。バリアがない誰もが楽しめる観光の学びから、社会に貢献できる人材を育成する。
UT実習は、トラベル研修の一環として開催。2月6日は、UTの基本的な考え方や、渕山代表がこれまでに携わった100歳の高齢者が参加したグアムツアー、視覚障がい者が車を運転するツアーなどを解説。また、受講した24人の学生が四つのチームに分かれ、車いすの操作方法や、アイマスクを使った視覚障がい者疑似体験などが行われた。
2月7日は、東京都がアクセシブル・ツーリズムポータルサイトで公開している「東京観光バリアフリー情報ガイド」全30コースのうち、大学から近い「神代植物園と深大寺コース」で車いすやアイマスクを使いフィールドワークを行った。アイマスクをしながら、温室に咲くランの花を言葉で伝える難しさを体験するほか、車いすで高所にある神代植物園から坂を下り、深大寺に移動したりした。
渕山代表は「受講した2年生が社会人になった際、直近で一番大きなイベントは大阪・関西万博であり、超高齢社会型万博でのUTの考え方は必須になる」と話した。
実習を担当した久保田美穂子准教授は「高齢者や障がい者も楽しめる、新しい観光プログラム開発へのプロセスなどの話は学生に響いた。今回の経験を社会に出た際にも生かしてほしい」と述べた。
フィールドワークの様子