全日本交通運輸産業労働組合協議会(交運労協)は10日、「令和6年能登半島地震および羽田空港事故の発生に対する声明」を発表した。
全日本交通運輸産業労働組合協議会(交運労協) 議長 住野 敏彦
1月1日午後4時10分頃、石川県能登地方を震源とする令和6年能登半島地震が発生した。また、翌2日午後5時50分頃、日本航空516便が羽田空港に着陸した際、海上保安庁の航空機と衝突し、滑走路上で炎上する事故が発生した。お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げるとともに、被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げる。
最大震度7を観測した能登半島地震では、1.2メートル以上の津波が沿岸部に到達した。
また、空港、港湾、道路などのインフラが甚大な被害を受けたことにより、支援物資の輸送は困難をきたし、孤立した地域も生じるなど、未だ被害の全容解明には至っていない。関係者の懸命な努力により、半島内の主要幹線道路の約8割で緊急復旧が完了したが、支援から取り残された方々の一刻も早い救出を願うばかりである。
羽田空港事故の原因については運輸安全委員会による真相究明を待つこととなるが、原因究明なくして再発防止はなく、交運労協は本事故の今後の推移を注視していく。
幸いなことに、日本航空516便の乗客367人、乗員12人の合計379人は脱出し全員無事だった。これは、乗客の安全を第一義とする日本航空乗務員の日頃の訓練に裏打ちされた冷静かつ的確な判断の賜物であり、全員が無事救出されたことに海外からも「奇跡的」と賛辞が送られている。
あわせて、能登半島地震に際しては、地震の影響で運休していた北陸新幹線や関西・中京を結ぶ特急列車が翌2日の午後には運行を開始したこと、昼夜を問わず被災地への物資輸送が遂行されたこと、羽田空港事故に際しては、滑走路封鎖の影響で航空便の欠航が相次いだため急遽各方面への新幹線の臨時運行が行われたこと、茨城空港への代替着陸に伴い最寄駅まで臨時バスが運行されたことなど、各輸送機関の最前線での奮闘があった。
キーワーカーとしての矜持を胸に、交通運輸労働者の皆さんが人流・物流途絶の危機を救っていただいたことに敬意を表するものである。
交運労協は、今回の震災と空港事故を受け、わが国の社会的インフラを支える立場から、一日も早い被災地の復旧・復興および事故の原因究明と再発防止に向け、最大限の取り組みを展開していく。