仕事への熱意・幸福度に男女差 全旅連JKKが組合員施設にアンケート調査


調査結果を共有する高橋会長(右)と川面氏

職場幸福度は女性高く 男性は心理的安全実感

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)の女性経営者の会(JKK、高橋美江会長=栃木県・益子舘里山リゾートホテル)は昨年11月、全旅連の組合員施設に対して実施した働く環境に関するアンケートの結果を発表した。それによると、男性より女性の経営者の方が働く意欲や幸福度が高いとの結果が出た。1月23日には、JKK高橋会長と、調査に協力した宇都宮大学DE&I推進センター男女共同参画推進室の川面充子特任助教の2氏が、東京・千代田区の全国旅館会館で調査結果の説明を行った。

 調査は、働く熱意などを示す「ワークエンゲージメント」、仕事における「幸福度」、安心して働ける環境を示す「心理的安全性」―の3指標で調査。全旅連のJKK、青年部の会員に対してQ&Aのオンライン形式で実施され、昨年9月20日から10月21日までの期間で合計159件(男性90人、女性69人)の回答が得られた。

 調査結果は、全体的に男性よりも女性の経営者の方が働く意欲や幸福度が高かった。一方で、安心して働ける環境かどうかを示す「心理的安全性」は男性経営者の方が感じている割合が高く、各指標で明確な男女差があることが分かった。

   ◆   ◆

 仕事に対する熱意を示す「ワークエンゲージメント」では、「仕事をしていると、他のことはすべて忘れてしまう」の質問で、そのように感じている女性が顕著に。

 「幸福度」も女性経営者の方が感じている割合が高い傾向にあり、特に「(職場で)物事が思い通りに進むと思っている」の質問で大きな男女差が見られた。

 一方の「心理的安全性」については、「職場でのミスが問題にされることがある」「自分と異なる意見や立場の人に受け入れられないと感じる」「自分の努力を意図的に妨げられることがある」といった趣旨の質問で、そのように感じている女性が男性よりも多く見られ、職場で安心して働いているのは男性に多い実態が明らかになった。

 高橋会長は今回の結果について、「これから若い人たちに旅館業に就いてもらうには、現状維持ではいけない。男女間で変えるべきこと、互いに理解し合うことをすることで、よりよい業界になっていくと思う」と話す。

 女性のワークエンゲージメントが高いことを評価しつつも、「頑張りすぎにも注意が必要だ」と警鐘を鳴らしたほか、女性が職場で心理的安全性を得るためには、「女性だけの会議の場を作るなど、率直な意見を言い合える場所が必要」との認識を示した。

 川面氏は、女性の職場での幸福度が高い要因について、「家事や育児など女性のライフスタイルが関係している」と解説。仕事が日常とかけ離れていることがストレスの発散となり、職場での満足度に影響しているとした。

 両氏は、男性経営者の幸福度が女性よりも低いことにも注目。「男性は逆に仕事を背負いすぎているのかもしれない。仕事上で女性にゆだねてもよいところは任せてもよいのでは」との意見が挙がった。


調査結果を共有する高橋会長(右)と川面氏
  

 
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