伊勢志摩学生団体誘致委員会(学誘委)はこのほど、「21年度学生団体旅行誘致実績調査」の結果を発表した。学校数で前年比22.3%増の1181校、学生数で29.9%増の10万6940人だった。
同委員会が21年9月に実施した調査では13万人強の見込みだったが、流行の波を繰り返す新型コロナの影響で1~3月に予定されていた高校などがキャンセルとなり、最終的には10万人強となった。
学校別の割合は、小学校47%、中学校29%、高校24%。県内外の比率は、三重県内26%、同県外74%で、これは20年度とほぼ同比率だった。
都道府県別内訳では、大阪が346校・2万8528人、三重が345校・2万8113人で、全体校数の58.5%、全体人数の52.9%を2府県が占めた。コロナ禍で近隣県への教育旅行実施が盛んだったことが数字上からもうかがえる。学誘委では「22年度も三重県の補助事業が継続されており、県内学校の来訪継続が見込まれる」と分析している。
学誘委は、三重県、伊勢志摩地域の3市1町(伊勢市、鳥羽市、志摩市、南伊勢町)、観光協会、商工会議所、商工会、宿泊施設、観光施設、交通事業者、旅行会社など48団体で構成。国内外からの学生団体旅行などを伊勢志摩地域へ誘致することを目的に活動している。
学誘委の提案する教育旅行の学習テーマは「自然・歴史・文化から学ぶ、美し国環境学習」。伊勢志摩観光コンベンション機構公式サイト「伊勢志摩観光ナビ(https://www.iseshima-kanko.jp/gakuyu)」内で教育旅行団体向けの各種プログラムを紹介している。「伊勢志摩教育旅行SDGsプログラム」「伊勢志摩教育旅行モデルコース」といった各種パンフレットも無料でダウンロードできる。
伊勢志摩教育旅行モデルコース(表紙)
教育旅行向けの最新体験プログラムでは、ミキモト真珠島で行う「真珠成分入りのハンドクリーム作り(30~40分、1人1600円)」、カーフェリーの操舵(そうだ)室や機関室・船内居住区などを見学できる「探検ツアーin伊勢湾フェリー(見学30分・昼食40分、1人1600円)」、イルカ飼育員によるトークと、イルカとの触れ合い体験ができる「飼育員トーク&イルカワンタッチ体験(遊覧船50分・体験20分、1人1400円)」などを提案している。
事前・現地・事後学習の3部で構成する学習プログラム「漂着ごみから考えるSDGs」では、鳥羽湾での漂着ごみの実態や、それらがもたらす影響について学び、生徒たちの環境問題への意識を高める。事前学習では、動画とオンラインで鳥羽湾や答志島(桃取地区)の漁業や漂着ごみの現状を学習。現地学習では答志島で半日の体験プログラムに参加する。奈佐の浜での清掃活動を通して、漂着ごみの実態を調査する。事後学習では、地元の漁師とオンラインで交流。現地での体験学習を通じて感じたことを伝えたり、今後漂着ごみを減らすために考えたことを提案したりする。
伊勢湾フェリー探検ツアー