伊香保温泉(群馬県)のシンボル、石段街。ここに浴衣や着物姿の1千人の女性を集め、写真撮影しようというイベントが進んでいる。昭和初期に製糸工場の女工が慰労会で伊香保を訪れ、石段街で撮った記念写真がポスターに利用されたが、今回のイベントはその平成版で、温泉活性化の狙いもある。
7月22日、女将の集まり「お香女会」のメンバー、塚越左知子さん(塚越屋)、岡部晃子さん(旅館おかべ)、高橋睦さん(美松館)が東京・池之端の観光経済新聞社を訪れ=写真、イベント内容を説明した。
このイベントは「IKAHO Cultural Meeting 石段1000」で、8月30日に実施する。当日、浴衣や着物を着て参加できる女性が対象だが、前日に伊香保温泉の旅館・ホテルに泊まるのが条件。「旅館組合に加盟する旅館のほとんど約60軒が参加する」と塚越さん。
応募ははがきで受け付ける。宿泊施設は3段階(1万3千円、1万円、7千円)の統一料金を設定し、参加者の希望を聞いた上で事務局が配宿する。いずれも1泊2食付きで、1人で泊まる場合はプラス5千円となる。
参加者全員に記念として、後日、写真を送る。また記念写真はポスターやイベントカレンダー、パンフレットなどでも使用する。
昭和初期に石段街で記念写真を撮ったのは前橋にあった製糸工場「群馬社」。多くの女工が立ち並ぶ姿は圧巻で、この時の写真は伊香保温泉のポスターの1つになっている。
塚越さんは「イベントを通し、温泉と着物という日本文化を改めて発信したい。目標の1千人に届くよう頑張りたい」と力を込めた。