岸田文雄首相は、英国訪問中の5日(現地時間)、ロンドンの金融街にあるホールで講演し、新型コロナウイルス対策として入国を制限している水際措置について、6月には他のG7(主要7カ国)諸国並みに大幅に緩和する考えを表明した。観光を目的とした外国人の入国再開につながると期待される。
岸田首相は「世界とつながり、世界とヒト、モノ、カネ、デジタルが自由に往来することで日本は成長していく。昨年末、オミクロンの世界的拡大を受けて水際対策を強化したが、国内への流入をできるだけ遅らせ、医療提供体制確保やワクチン接種を進めるために必要だった。世界的に見ても、日本のコロナ対応は成功している。6月には他のG7諸国並みに円滑な入国が可能となるよう水際対策をさらに緩和していく」と述べた。
観光を目的とした外国人の入国は、新型コロナウイルスの感染拡大以降、認められていない。観光庁は、政府が2020年12月に策定した「感染拡大防止と観光需要回復のための政策プラン」などを踏まえ、訪日観光再開への実証事業として、小規模なパッケージツアーの試行を準備しているが、実施未定の状態が続いている。
ロンドンで講演する岸田首相(画像・首相官邸ホームページから)