栃木県・那須塩原市観光局の西須紀昭局長と小林紀明事業部長が9月29日、東京都台東区の観光経済新聞社を訪れ、宿泊事業者のPCR検査問題、入湯税引き上げなど、最近の観光事情を説明した。
市は観光客に安心して来てもらうことを目的に、旅館・ホテルの従業員を対象にPCR検査を実施、入湯税を引き上げてその財源とする方針を打ち出した。
しかし、宿泊事業者からは陽性が確認された場合の風評被害や、入湯税引き上げによる客離れを懸念する声もあがり、また温泉地によっても意見が分かれるなど、混乱ぶりがテレビでも頻繁に取り上げられた。
両氏によると、市議会は9月28日、入湯税の条例改正案を賛成多数で可決した。現行150円だが、宿泊料金が1万円以下は50円、1万円超2万円以下100円、2万円超200円を上乗せすることになった。12月1日から引き上げるが、2022年3月までの暫定措置となる。
29日には、渡辺美知太郎市長と塩原、板室両温泉の関係者による、感染対策と観光振興の両立に向けた「持続可能な観光モデル」合意調印式が行われた。
PCR検査は10月から月に1回、宿泊施設の従業員ら600人を対象に実施する。陽性者が出た場合は施設名を公表。陽性者には見舞金、事業者には協力金を支給するという。
コロナの影響で宿泊客が減少していたが、「Go Toトラベル」などもあり、9月4連休は客足も増え、全般的に改善しつつあるという。
4月に局長に就任した西須氏は、観光振興のキーワードにアウトドアアクティビティや商店街の活性化などを挙げた。
西須局長(右)と小林部長