帝国データバンクによると、今年5月の全国企業倒産(負債1千万円以上の法的整理)は950件で、今年最多を記録したものの、前年同月比では6.2%減少した。7業種中5業種が減少し、運輸・通信業は唯一の2カ月連続の2ケタ増となった。負債総額は1544億4千万円で、2カ月ぶりに同減少した。
7の業種別では、卸売業と運輸・通信業が前年同月比で増加。ほかは減少した。
このうちサービス業は同6.9%減の175件。7カ月連続で減少した。建設業は同0.4%減の236件で、8カ月連続で減少した。
小売業(同19.1%減、165件)、製造業(同17.0%減、117件)、不動産業(同15.2%減、28件)の3業種は2ケタの大幅減となった。小売業は自動車小売、衣料品等小売で大幅減。製造業は機械器具製造の減少が目立つ。
半面、運輸・通信(同19.5%増、49件)は、2カ月連続の2ケタ増。卸売業(同9.9%増、155件)も増加した。
地域別では、9地域中4地域で前年同月比減少した。特に関東(同14.8%減、339件)と中国(同12.8%減、41件)で2ケタの大幅減となった。関東は東京が同14.5%の大幅減。北関東でも減少が目立つ。
東北(同20.7%増、35件)と中部(同10.7%増、155件)は2ケタ増加した。東北は前年同月に復興需要で大幅に減少していた反動もあり、建設業が大幅に増加した。
規模別では、負債5千万円未満の倒産が514件で、倒産全体に占める割合が54.1%と、7カ月連続で過半数を占めた。一方、負債100億円以上の倒産は発生しなかった。負債トップはパチンコホール・ボウリング場など経営の東海産業(栃木県)で86億3700万円。今年1月からの大型倒産では元・観光ホテル経営のKHコーポレーション(北海道)が負債75億円で10位、ホテル経営の聴涛館(静岡県)が同58億円で15位にランクされている。