全国近代化遺産活用連絡協議会、「日本の近代化遺産」イベント実施


 全国近代化遺産活用連絡協議会は1日、「日本の近代化遺産」イベントを始めた。

近代化遺産の所在する市町村、都道府県などが加盟する全国組織の全国近代化遺産活用連絡協議会(会長:舞鶴市長・多々見良三)は、全国の「近代化遺産」の歴史や魅力を知ってもらうことを目的に、昨年同様、文化庁と独立行政法人日本芸術文化振興会が展開する「日本博」プロジェクトの一環として、2021(令和3)年10月1日(金)~11月30日(火)まで、令和3年度日本博主催・共催型プロジェクト 「日本の近代化遺産 ―自然の力と美を引き出す技―」を開催します。
 「近代化遺産」とは、幕末から第2次世界大戦期までの間に、西洋の最先端技術を取り入れて建設された大規模なダムや発電所、駅舎、橋梁、鉱山施設、港湾施設をはじめ、地場産業の発展を支えた町工場や倉庫、店舗、公共施設。日本の伝統と西洋の文化や様式を融合したホテルや住宅など、日本の近代化に貢献した産業・交通・土木に係る建造物のことです。今も現役で使われているものもありますが、多くは当初の役目を終えて、資料館や記念館、観光施設などの新しい使い方で活用されています。

「日本の近代化遺産」告知ポスター「日本の近代化遺産」告知ポスター

近代化遺産の所在する市町村、都道府県などが加盟する全国組織の全国近代化遺産活用連絡協議会(会長:舞鶴市長・多々見良三、略称:全近、ぜんきん)は、人々の暮らしを支えてきた「近代化遺産」の歴史的・技術的・芸術的な価値を、広く一般に知ってもらうことを目的とした普及活動を毎年行っています。
本年度は、文化庁と独立行政法人日本芸術文化振興会が昨年と同様に展開する「日本博」プロジェクトの一環として、令和3年度日本博主催・共催型プロジェクト「日本の近代化遺産 ―自然の力と美を引き出す技―」を開催。2021(令和3)年10月1日(金)にスタートしました。

今回の「日本の近代化遺産 ―自然の力と美を引き出す技―」は、全国の近代化遺産を紹介する動画やパネル、実物資料などを展示し、近代化遺産の楽しみ方と魅力をアピールするプロモーションイベント「近代化遺産フォーラム2021」を、初の地方開催となる山口県下関市と東京都内で実施します。
下関市では、国の重要文化財で近代化遺産の「旧下関英国領事館」附属屋ギャラリー(下関市唐戸町4-11)を会場に10月10日(日)まで実施。東京都内は千代田区丸の内の「東京シティアイ パフォーマンスゾーン」(KITTE地下1階)で10月14日(木)~17日(日)まで行います。どちらも入場無料です。

山口県下関市・旧下関英国領事館で10月10日(日)まで開催中の「近代化遺産フォーラム2021」 会場の附属屋ギャラリー入口の様子山口県下関市・旧下関英国領事館で10月10日(日)まで開催中の「近代化遺産フォーラム2021」 会場の附属屋ギャラリー入口の様子

 旧下関英国領事館 外観 旧下関英国領事館 外観

また「日本の近代化遺産 ―自然の力と美を引き出す技―」では、11月30日(火)まで、近代化遺産の所在する市町と協力し、重要文化財や登録有形文化財を含む、全国222か所の「近代化遺産」を一般公開するほか、通常非公開や保存修理工事のため休館中の近代化遺産の特別公開、ガイドツアー、特別展示などの参加型イベントを全国の32市町で実施します。
※一般公開の件数、各種イベントの市町数は、10月6日現在のものです。

10月1日(金)から、近代化遺産のプロモーションイベント「近代化遺産フォーラム2021」が始まった山口県下関市では、同イベントの会場でもある赤レンガ造りの「重要文化財 旧下関英国領事館」のほか、西日本初の鉄筋コンクリート造りのビルで、屋根に突出した緑色の塔屋が印象的な「旧秋田商会ビル」(下関市南部町23-11)、今も市民が利用する国内最古の現役郵便局舎の「下関南部町(なべまち)郵便局」(下関市南部町22-8)の観光客に人気の唐戸(からと)エリアの3施設をはじめ、現在、市内11か所で「近代化遺産」を一般公開中です。

赤いポストが目印の「下関南部町郵便局」赤いポストが目印の「下関南部町郵便局」

緑色の塔屋が目を引く「旧秋田商会ビル」緑色の塔屋が目を引く「旧秋田商会ビル」

【「日本の近代化遺産」イベント概要】
事業名称
令和3年度日本博主催・共催型プロジェクト
「日本の近代化遺産 ―自然の力と美を引き出す技―」
※日本博事業としては、2020(令和2)年度に続き2回目の開催
実施期間
2021(令和3)年10月1日(金)~11月30日(火)
主  催
全国近代化遺産活用連絡協議会(全近)、文化庁、独立行政法人日本芸術文化振興会
全近の公式ウェブサイト
https://www.zenkin.jp/category/news
※今年度の情報は順次更新しています。
イベント内容
■拠点プロモーションイベント「近代化遺産フォーラム2021」
〇山口県下関市
《第1弾》
期間:2021(令和3)年10月1日(金)~10月10日(日) 9:00~17:00
※休館日の10月5日(火)を除く
会場:重要文化財旧下関英国領事館(下関市唐戸町4-11)
料金:無料
内容:関門地区の近代化遺産に関連する実物資料の展示のほか、全国の近代
化遺産を紹介する動画上映やパネル展示
《第2弾》
催事名称:「灯台150周年・六連島灯台重要文化財指定記念講演会」
日時:2021(令和3)年10月24日(日) 14:30~16:00
会場:下関市民会館 大ホール(下関市竹崎町4-5-1)
料金:無料
定員:200名(先着順、往復はがきで申し込み)
内容:
①講演「ブラントンの灯台の設置個所と建築的特徴について」
講師:東京工業大学 名誉教授 藤岡洋保(ふじおか・ひろやす)氏
②トークセッション 「重要文化財に指定された灯台の今後の展望について」
登壇者:「灯台どうだい?」編集長   不動まゆう(ふどう・まゆう)氏
東京工業大学 名誉教授   藤岡洋保(ふじおか・ひろやす)氏
来島海峡海上交通センター情報課長(灯台史研究生)
星野宏和(ほしの・ひろかず)氏
《一般からの問い合わせ先:第1弾・第2弾共通》
下関市教育委員会 文化財保護課 TEL:083-254-4697(平日9:00~17:00)
〇東京都千代田区丸の内
期間:2021(令和3)年10月14日(木)~10月17日(日) 11:00~19:00
※初日(10月14日)のみ13:00から
会場:東京シティアイ パフォーマンスゾーン
(東京都千代田区丸の内2-7-2 KITTE地下1階)
料金:無料
内容:・近代化遺産にまつわるトークセッション
・東京初お披露目となる「旧諸戸家住宅」洋館(三重県桑名市)で
使用されていたテーブルや旧小坂鉄道(秋田県小坂町)の貴重な
鉄道資料など、近代化遺産に関連する実物資料の展示
・ペーパークラフトの組み立て無料体験 など
《一般からの問い合わせ先》
近代化遺産フォーラム2021運営事務局(㈱マヌ都市建築研究所内)
TEL:03-3816-4037(平日10:00~19:00)

■「近代化遺産全国一斉公開2021」
※今回で通算17回目の実施(2005年からスタート)
※イベントや一般公開の運営と主催は近代化遺産の所在する自治体等
期間:2021(令和3)年10月1日(金)~11月30日(火)
内容:
○全国各地で通常見学できる近代化遺産222か所を一般公開(10月6日現在)
〇参加型イベントなどを全国32市町で実施(10月6日現在)
《一般からの問い合わせ先》
・一般公開や各種イベントの詳細は、各主催者にお問い合わせください。
・全近公式ウェブサイトでも一般公開や各種イベントの一部を紹介しています。
備  考
・新型コロナウィルスの影響やその他の状況により、中止または内容を変更する可能性があります。
・各会場で新型コロナウィルス感染拡大防止策を講じています。
・来場者や参加者はマスクの着用や三密を避けるためのご協力をお願いします。

※「全国近代化遺産活用連絡協議会」とは
全国近代化遺産活用連絡協議会(略称:全近・ぜんきん)は、近代化遺産の保存・活用を図ると共に、伝統産業等を活かした地域振興、歴史的町並みの保存、地域資源を活かした新たな文化的な観光の創出に資することを目的に、1997(平成9)年に設立された日本で唯一の「近代化遺産」の全国ネットワーク組織です。
現在、下関市を含む47市町、47都道府県、19の賛助団体、6の協力団体で構成され、近代化遺産の価値や魅力を広く一般に普及するための活動を行っています。会長は多々見良三(たたみ・りょうぞう)舞鶴市長、事務局は舞鶴市役所 市民文化環境部 文化振興課が担当しています。

 

 
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