株式会社全旅(池田孝昭社長)は、全国旅行業協会(ANTA)の会員を対象に、クレジットカードの決済手数料率が1.3%になるメール送信型カード決済サービス「全旅ペイメント」を開始した。通常は2〜3%だが、ANTA会員5500社の組織力を背景に包括契約を結ぶことによって、カード会社から低料率を引き出した。
ポイント特典が付くクレジットカードでの支払いを望む客も多い。中小旅行会社にとっては、手数料がネックとなり躊躇していたクレジットカード決済に応じやすくなる。
通常、決済処理代行会社との契約で発生する決済処理費用(初期費用10万円程度、月額固定費用1万円程度、重量費用1件当たり20円程度)の費用もかからない。対象のクレジットカードはビザとマスターで、今後、JCBも加える予定。
同サービスは、CAT端末を用いず、パソコン上のアプリケーション画面から利用する。専用IDとパスワードによってログインし、金額、商品名を入力して客のメールアドレスに送信。客にはメールに付けられたURLからカード情報を入力して、決済してもらう。決済状況はアプリケーション画面で確認できる。
クレジットカードのほかに、ローソン、ファミリーマートなどのコンビニ店頭や、「Pay—easy(ペイジー)」によるインターネットバンキングでの支払いも可能だ。
売り上げ代金の振り込みは、15日締めの末払い、末締めの翌月15日払いの月2回。振込金額の明細は、ANTAが運営する観光商品流通システム「ANTA NET」で確認できる。
すでにANTA会員240社から申し込みがあり、このうち30社が5月上旬から決済を始めた。
全旅の中森万登・西日本支社長は「全旅ペイメントを使ったANTA会員から『画面操作が意外に簡単だ』という声も聞く。取扱額が増えればカード会社からさらに有利な条件を引き出せるので、多くの会員に利用してもらいたい」と話す。