全国旅館生活衛生同業組合連合会(全旅連、佐藤信幸会長)は3、4日、東京のリクルート・セミナールームで通算2回目の若手経営者育成研修「宿経営ビジネススクール」を開いた。全国から応募した旅館・ホテルの若手経営者、経営後継者21人が受講。マネジメント論や、顧客満足度向上のためのノウハウ、インターネット宿泊予約の現状と対策などを学んだ。
研修は、「我が国の観光・宿泊産業を担う次世代リーダーの育成」を目的に、今年8月に初めて開講。リクルートの共催で、同社から講師の派遣を受けて実施している。
今回の研修では、「クレームを満足に変えるマネジメント」「ライバルに差をつける情報発信力の磨き方」「顧客満足度向上のための宿改善ノウハウ」「インターネット宿泊予約の現状と勝ち抜くための秘訣」「地域作りに活かせる補助金について」などをリクルートの講師らが講義。
初日は「リーダーシップとマネジメント」をテーマに、リクルート執行役員・旅行カンパニー長の冨塚優氏が講義した。
講義は「リーダーとは何か」「リーダーシップとマネジメントの違い」「部下を成長させるにはどうすればよいか」などの問いを受講者同士が考える形で進行。「リーダーシップは覚悟とマインドの問題。マネジメントは技術とスキルの問題」「マネジメント(能力)は教育によって変わるが、リーダーシップ(能力)は教育によって変わらない。自分自身の問題だ」「部下を1人の人間として認め、成長を支えることだ。年齢、性別は関係ない」などの意見や提言が聞かれた。
開講式であいさつした永山久徳・全旅連青年部前部長は「旅館数が減少しているのは、経営者のマネジメント能力が低いからだと言われる。青年部は40年間、部員同士が教え合い、成長してきた組織だが、マネジメントのプロに話を聞くことも大事だ。今日の話をすべて持ち帰る気概で受講していただければ」と述べた。
リクルート・冨塚氏の講義