全旅連の「シルバースター登録制度」、全国で742軒が登録


ハード・ソフトで高齢者に配慮

 高齢化社会を迎え、誰もが気軽に安心して泊まれる宿の普及が望まれている。全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)は、ハード、ソフトで一定の基準を満たした宿を登録する「シルバースター登録制度」を推進し、その普及に努めている。

 同制度は1993年に発足。国内旅行をする高齢者割合が2~3割と推定されるとし、「健康面で配慮された料理の提供や、施設のバリアフリー化、いざというときのホスピタリティなど、高齢者が安心して宿泊できる宿がさらに必要とされている」と制度化したものだ。

 登録施設数は全国に743軒(6月25日時点)。2006年に千軒を突破したが、宿の廃業などで数が減少している。

 主な登録基準は別項の通り。「浴室、トイレに手すりが設置されている」「高齢者に配慮した料理メニューを提供できる」「従業員に高齢者の宿泊客に接する際の教育を行う」など、ハード、ソフト面でそれぞれ設定されているが、ハードルはそれほど高くないといえる。

 登録するには全旅連への申請が必要。年1回程度の登録審査委員会が行われ、申請施設の登録可否を決定。次回の委員会は今秋にも行われる予定だ。

 シルバースター登録施設には、宿の組織的なPR、経営に役立つ各種情報の提供など、さまざまなメリットがある。

 全旅連は登録施設の拡大や、登録制度を消費者に周知するためのキャンペーンを毎年実施している。昨年は平昌オリンピックのアルペンスキーで金メダルを獲得した村岡桃佳選手をイメージキャラクターに起用。今年も引き続き同選手を起用する予定だ。

【主なシルバースター登録基準】
「客室内浴室・トイレには必要に応じ、手すり等が設置されていること」
「共同浴室は、手すり、スロープ、シャワーチェアー、椅子やベンチ等を設置して高齢者の利用に配慮すること」
「共同トイレは、洋式トイレや手すりを設置することが望ましいこと」
「共同トイレ内に事故発生時用の連絡設備があること」
「階段等には手すりを設置すること」
「食事は高齢者に配慮したメニュー(献立)の提供もできること」
「部屋割についてはできる限り高齢者が利用しやすい客室を提供すること」
「高齢者(満65歳以上)に対しては割引料金・粗品・飲食等の配慮を行うこと」
「従業員に対し高齢者の宿泊客に接する際の配慮等の教育を行うこと」
「適正な区域内に往診等の対応措置がとれる医療施設を有すること」

 
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