全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)のシルバースター部会(多田計介部会長=石川県・ゆけむりの宿美湾荘)は6月28日、東京・千代田区の都道府県会館で総代会を開き、任期満了に伴う役員改選で新しい部会長に中村実彦氏(長野県・ホテル五龍館)を選出した。
副部会長には渡辺幾雄氏(栃木県・やまの宿下藤屋)が就いた。多田氏は歴代最長となる3期6年間部会長を務めたが、6月6日の全旅連総会で全旅連会長に就任したため、前副部会長として多田氏を支えた中村氏に今後の運営を託した格好だ。
16年度事業報告では、フリーペーパー形式のガイドブック「人に優しい宿」を3月に5万部発行し、全国のシルバースター登録施設と都道府県組合等に配布したことなどを報告。
17年度事業計画では、インターネット集客事業の推進、シルバースター登録施設数の拡大、ヘルスツーリズムへの取り組みなどを挙げた。
同部会は、高齢者など誰もが安心して利用できるハードとソフトを備えた宿の登録制度「シルバースター登録制度」の推進組織。一定の要件を備え、登録申請をした施設を審査により登録している。現在の登録施設数は783軒。ピーク時に1千軒を超えたが、減少傾向が続いている。
多田部会長は「どんな組織でも、組織を維持するためには一定数以上の会員が必要だ。900軒にはいつでも届く力がある組織なので、本日ご出席の各都道府県組合の地区委員の皆さまには、引き続き登録施設数拡大にご協力いただきたい」と呼び掛けた。
中村新部会長は「シルバースター部会には20年の歴史があり、コンセプトも、文字通りのシルバー向けの宿から、『人に優しい宿』へと進化してきた。今後はヘルスツーリズムの視点からの活動を強化していきたい」と意気込みを語った。
当日は、厚生労働省医療・生活衛生局生活衛生・食品安全部生活衛生課の榊原毅課長が来賓として出席。研修会では、参議院自由民主党議員会長で東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会理事の橋本聖子氏が「2020年オリンピック・パラリンピック東京大会がもたらすもの~健康なまちづくりのための地域社会の役割~」と題して講演した。
部会長退任で花束を受け取る多田前部会長(右)と中村新部会長