全旅連女性経営者の会(JKK、小林佳子会長)は6日、第1回定例会議を南禅寺八千代(京都市)で開催した。出席者は同館内を視察し、館内施設の新設、客室の改装についての経緯や知見などを実地で共有。講演では同館のコロナ後に向けた取り組みなどを聴講した。コロナ禍のため、現地には小林会長ら役員のみが参加。同会の模様はオンラインでリモート配信された。
冒頭あいさつで、小林会長は今回の定例会議がリモート開催となったことに触れ、「当初はリアルでの開催を予定し準備を進め、各地ではコロナウイルス感染者が減少しているものの、一部地域で緊急事態宣言が解除されていないこと、オリンピック開催前に変異株が拡大しワクチン接種が進んでいないことなどを踏まえ、役員会で議論を重ねた上でリモート開催とさせていただいた」と説明。「館内の改装した客室の案内をライブ配信で行うのは、本業界では初めての試みである」と、リモート開催の意義についても述べた。
あいさつの後、全旅連青年部の広報担当副部長で、南禅寺八千代の中西敏之氏が館内を案内し、新設した風呂や顧客に応じた客室レイアウトなど、改装箇所の要点、経緯について出席者に紹介し、説明した。
中西氏はその後の講演で、アフターコロナに向けての取り組みについて解説した。同氏はコロナ禍以前の同館の経営や宿泊者の特色として(1)インバウンド比率が約80%(2)泊食分離(3)連泊型(4)海外OTAの活用(5)需要予測をもとにした販売管理(レベニューマネジメント)の導入―などの項目を挙げた。コロナ後を見据えて、ソーシャルディスタンスや労働生産性、事業再構築への取り組みを行うとした上で、「売れ行きの良い別館のランチ商品の強化を図りながら、現状では素泊まりメインでの商品造成、食事提携をしないレストランとの連携を検討している」「遠方から自動車でお越しのお客さまが多くなったので、ドライブを楽しみたいお客さまをターゲットにしたこだわりの宿づくりも想定している」「事業再構築として蔵サウナや庭園サウナなどの館内整備を企画している」などの方針を明らかにした。
あいさつする小林会長
講演する中西氏