全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)青年部は4月20日、東京の都道府県会館で定時総会を開き、横山公大部長(高知県・土佐御苑)をはじめとする平成23、24年度の新役員体制を承認した。2年間の横山体制では、「『利他精神』〜夢を語り背中を魅せる」を活動スローガンに掲げ、業界で働く人々に夢を与える「ドリーム・リョカン・プロジェクト」や、環境問題への取り組み、東日本大震災への対応など11の委員会活動を行う。
22年度事業と収支報告、23、24年度役員案承認までの議案審議は井上善博前部長(福岡県・六峰舘)、新役員承認後の23年度事業計画と予算案の審議は横山新部長が議長を務めた。
井上前部長は、東日本大震災の被災3県を横山新部長とともに慰問に訪れたことを報告。風評による宿泊客減少で被災地を含め全国の旅館・ホテルが苦しむ中、「青年部で培った誇り、絆、友情を確認し、がんばってほしい。今は苦しいが、必ず光が見えてくる」と、出席した青年部員を激励した。
昨年9月の臨時総会で次期部長に指名され、この日、正式に承認された横山新部長は、「今までにない、後世に語り継がれる2年間にしたい」と就任の抱負を述べた。
横山体制2年間は、横山新部長の思いを強く打ち出した委員会組織にした。「我々が光り輝く人間であることが、後輩たちや次世代の若者たちに夢を与え、多くのお客さまをひき付けていくと考える」として、従業者や顧客にとって魅力的な夢の持てる旅館を研究する「ドリーム旅館プロジェクト委員会」を設置。
旅館・ホテルから出るごみの削減やエコ活動の調査研究、日本学生観光連盟との協働事業を推進する「夢未来創造委員会」も設置した。
東日本大震災による直接、間接の被害で苦しむ旅館・ホテルが多い中、施設の耐震問題の研究や、ネット上で展開される消費者の口コミ対策を行う「緊急特別対策委員会」、政治的諸問題に親会と連携して対応する「政策立案委員会」も設けた。
ほかに「総務」「広報」「財務」「組織維新(これあらた)!」「観光連携」「旅館アカデミー」「観光平成維新」の各委員会を設置。合計11の委員会で活動する。
23年度予算案では、東日本大震災の被災12県組合からの会費を全額免除。計画停電地区の5都県は固定会費のみ免除にした。
会では来賓から全旅連の佐藤信幸会長、全旅連女性経営者の会の清水美枝会長、観光振興議員連盟の川内博史会長があいさつ。
総会終了後は県部長サミットを開き、「旅館ホテル業界の震災後の対応について」をテーマに、新潟県旅館組合理事長で、全旅連東北地方太平洋沖地震災害対策本部委員の野澤幸司氏の講演を聞いた。また今回の震災で災害救助法の適用を受けた都県の青年部長から各地域の被害と対策の状況を聞いた。
【新役員陣容】(敬称略、カッコ内は所属)
部長=横山公大(高知県・土佐御苑)▽副部長=神田裕幸(島根県・てんてん手毬)、新山晃司(愛媛県・ホテル古湧園)、鈴木治彦(岡山県・名泉鍵湯奥津荘)、森晃(長野県・旅館さかや)、山口敦史(山形県・ほほえみの宿滝の湯)、田村佳之(群馬県・時わすれの宿佳元)▽北海道ブロック長=林孝浩(北海道・紋別プリンスホテル)▽東北ブロック長=一條達也(宮城県・時音の宿湯主一條)▽北関東信越ブロック長=柳一成(新潟県・ひなの宿千歳)▽首都圏ブロック長=伊丹一茂(千葉県・海辺の宿恵比寿)▽東海ブロック長=飯山和義(岐阜県・飛騨亭花扇)▽北陸ブロック長=美濃屋啓晶(福井県・みのや泰平閣)▽近畿ブロック長=静盛王(和歌山県・福智院)▽中国ブロック長=宮川和也(山口県・西の雅常盤)▽四国ブロック長=小寺達也(香川県・つるや旅館)▽九州・沖縄ブロック長=永田祐介(熊本県・阿蘇内牧温泉蘇山郷)
所信を述べる横山新部長