鶯宿温泉長栄館、ITツールで業務を効率化
バックオフィス業務を一元管理
全旅連青年部は、コロナ後を見据えた業務の効率化に向け、ITツールの活用を推奨している。中でも、勤怠&シフト管理システム「ジョブカン」は、バックオフィス業務を一元管理し、工数、コストを削減するサービスとして案内している。
岩手県鶯宿温泉・長栄館は、3月1日から勤怠管理(出勤、シフト、休暇・申請)や給与計算など業務改善を目的にジョブカンを導入している。
導入後の効果について同館の照井貴博社長は「大きく出退勤の方法を変えたが、社員に戸惑いはなく、順調に移管できた。次に休暇の申請や給与の部分、そして労務管理にまでステップアップしていく。作業の効率化、工数削減で実業務に回せる時間が増えた。紙からオンラインへの変更でコスト削減にもつながっている」と手応えを話す。
同館で導入の手続きに携わった浅沼佑輔さんは、「サービスの導入、使用はとても簡単で、スムーズにできた。以前は、出退勤のデータを開くために管理者のログインが必要で、誤変更などトラブルもあったが、今は従業員の出退勤はICカードのみで完了でき、情報管理を含めて利便性が高まった」という。今後は、ジョブカン上でのシフト確認など活用の幅を広げていきたいという。
ジョブカンを提供するDonuts(東京都渋谷区)は「エクセルでのシフトの希望確認や集計など、従来は1週間かかっていた作業を約半分で終えることができる」と話す。ジョブカンでは、(1)勤怠管理(2)労務HR(労務管理)(3)給与計算(4)ワークフロー(5)経費精算(6)採用管理―に関するサービスラインアップを用意している。
全旅連会員向けのサービスでは特別割引価格が適用。出勤管理、シフト管理ができる「梅コース」が1人250円、休暇・申請管理、給与計算が加わった「竹コース」が同600円、さらに労務管理が加わった「松コース」が同900円。長栄館は竹コースを使用し、将来的には松コースへの切り替えを検討している。
会員に向けて照井社長は「コロナ禍という転換点で会社を変える良いチャンス。今後、お客さまへのおもてなしを強化するためには、バックオフィス業務をIoTで圧縮し、増えた時間を接客現場に投入することが重要になる。次の10年、15年を真剣に考えて構造改革を実行してほしい」と呼び掛けた。
同サービスは今後、企業用のビジネスコミュニケーションツール「LINE WORKS」と連携し、勤怠管理の周知など利便性を高めたサービスをリリースする予定。