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菅元首相、古川国土交通副大臣、山本群馬県知事らを交えてのテープカット
菅元首相ら、業界を激励
全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)青年部(塚島英太部長)主催の第3回「宿観光旅博覧会(宿フェス)」が5、6日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれ、2日間で延べ3万1千人が来場した。初日は菅義偉元首相ら多くの来賓が訪れ、会場を視察。菅元首相は「宿泊施設の魅力向上がわが国の観光にとって非常に重要」と、宿泊観光業界を激励した。
宿フェスは全旅連青年部員を中心に、全国47都道府県がブースを出展、ステージでアトラクションを披露するなど、それぞれの観光魅力を広く一般客らにアピールする催し。2023年に初開催され、過去2回で延べ約6万人が来場している。
オープニングで塚島部長は「国内旅行の活性化を目的としたイベント。今年は47都道府県から500を超える地域の皆さまに集結いただいた。地域固有の文化、『まだ見ぬ日本』を発信し、宿泊観光産業を明るい未来へと進めていきたい」とあいさつ。
青年部長経験者でもある全旅連の井上善博会長は「観光を日本の基幹産業へと、忙しい中でも一生懸命取り組んでいる青年部員の皆さんには本当に頭の下がる思い」と、会の運営に尽力する”後輩”を激励した。
菅元首相、古川国土交通副大臣、山本群馬県知事らを交えてのテープカット
オープニングには多くの来賓がかけつけた。初回から3年連続で訪れた菅元首相は「わが国の観光のさらなる発展に当たり、特に重要なのが宿泊施設の魅力向上だ」と強調。宿泊観光業界が最速で2028年のユネスコの無形文化遺産登録を目指す「温泉文化」についても「地方への誘客につながる有力な観光資源」として、その登録に「微力ながら尽力したい」と述べた。菅元首相は昨年の第2回宿フェスで、100万筆を目標とした無形文化遺産登録に向けた署名活動で第1号の署名を行っている。
東北6県のブースでりんごジュースを賞味する菅元首相
温泉文化のユネスコ無形文化遺産登録を応援する「知事の会」事務局長の山本一太・群馬県知事は「活動が盛り上がっている。『温泉文化アンバサダー』に歌舞伎役者の市川團十郎さんに就任いただいたことも非常に心強い。皆さんと力を合わせて運動をさらに前へ進めたい」。
古川康・国土交通副大臣はイベントの成功とともに、「『地方を中心としたインバウンド誘客』『持続可能な観光地域づくり』『国内交流拡大』の三つの分野を強力に進める」と国の観光政策を述べた。
ステージでは郷土芸能やトークイベントなどさまざまな催しが行われた。
宿泊業界におけるSDGs(持続可能な開発目標)達成に向けた取り組みの一環として、「地球環境を保護しつつ、良好な経済活動を長期間維持できる取り組みを行う宿」を表彰する「旅館サステナビリティアワード2025」が行われ、仙峡の宿銀山荘(山形県銀山温泉)、ワットホテル&スパ飛騨高山(岐阜県飛騨高山)、カヌチャベイリゾート(沖縄県名護)の3軒が受賞した。
地域固有の文化の維持・保全など、地域における持続可能な取り組みに対して宿泊客から寄付を募る「”宿”サステナブルアクション」の実施を塚島部長が発表。3月中旬から5軒の宿で試験的に行い、8月をめどに各地で本格実施する。
温泉文化のユネスコ無形文化遺産登録に向けて、さまざまな場面で活動してもらう「温泉文化大使」に、入浴剤などを製造するバスクリンの三枚堂正悟社長らが新たに就任。ステージで任命式が行われた。
温泉文化の無形文化遺産登録実現に向けた活動の一環で、「風呂桶で作った最大の文章」の作成に挑戦。従来記録の千個を上回る1126個の風呂桶で「温泉文化×ONSEN」と文字を作り、ギネスの世界記録に認定された。
ギネス記録となった「風呂桶で作った文章」