全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)青年部は12月10日、宮崎市のシーガイアコンベンションセンターで第27回全国大会を開いた。9月19日の臨時総会で部長職の続投が内定した塚島英太氏(長崎県・ホテル長崎)が令和7、8年度の2期目に向けて所信を述べたほか、石破茂首相がビデオメッセージを寄せ、全国で観光による地方創生に取り組む青年部員を激励した。青年部活動の優れた取り組みを表彰する「褒賞」はグランプリを石川県加賀支部青年部が受賞した。
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全国の青年部員、青年部OB、関係者およそ700人が参集した。
塚島氏は「宿泊観光産業を日本の基幹産業に押し上げる。そのためには変革を恐れず、力強く進むことが必要だ」と述べ、これまで取り組んだ組織改革、業界を取り巻く諸問題への対応、業界の魅力発信、地位向上への取り組みを引き続き進める考えを示した。
塚島部長
石破首相は観光立国実現と能登半島地震の被災者受け入れに尽力する青年部員に謝意を述べた後、「宿は地域の文化、伝統を体現する地域のショーケースだ。それぞれの宿の経営はもとより、地域づくりに積極的に貢献をしていただきたい」と、全国の宿泊業の地方創生への役割に期待を込めた。
群馬県知事で、「『温泉文化』ユネスコ無形文化遺産登録を応援する知事の会」事務局長の山本一太氏もビデオメッセージを寄せ、宿泊観光業界が進める「温泉文化」のユネスコ無形文化遺産の早期登録に向けた運動への協力を呼び掛けた。
全旅連の井上善博会長も同運動に言及し、100万筆の署名獲得へ参加者の協力を求めた。
観光庁の鈴木貴典審議官は、観光の現状に関する「特別講話」を行った。
全国の青年部活動の優れた事例を表彰する「褒賞」は、最高賞のグランプリを石川県加賀支部青年部の「能登と加賀をつなぐ絆の美食フェア~地域復興と観光振興を支える協働プロジェクト~」が受賞。観光経済新聞社賞は長崎県青年部の「宿泊業界の未来を創る外国人人材活用プロジェクト~長崎県宿泊施設インターンシップ受入支援事業~」が受賞した。
観光経済新聞社長賞の授与
懇親会では塚島部長が9月の臨時総会で示した次期スローガン「『温故創新』~観光の中心で咲き誇る礎たれ~“Always be yourself”」を改めて発表。2月6日に開催する「旅館甲子園」のファイナリスト3軒も発表した。
旅館甲子園は経営者や従業員が宿自身や宿で働くことの魅力を舞台でプレゼンテーションし、その内容やパフォーマンスについて業界関係者らが審査、最高賞のグランプリを決めるもの。隔年の開催で、今回で7回目。東京ビッグサイト(東京都江東区)で行う青年部主催の「宿フェス」のプログラムとして開催する。
全国から100軒を超すエントリーがあり、2回の審査を経てファイナリスト3軒が決まった。3軒は扇芳閣(三重県)、温泉旅館みたけ(神奈川県)、秀花園(静岡県)。
約700人が参加した全国大会