共通ICカードの具体化を検討 日中韓観光大臣会合


 日中韓観光大臣会合が6月26日、中国の青島市で開かれた。冬柴鐵三国土交通・観光立国担当相、中国の邵●偉・国家旅游局長、韓国のキム・ジョンミン文化観光部長官が会談し、観光交流の促進に向けた「青島宣言」を採択した。(●は王へんに其)

 公共交通機関や宿泊施設の料金を決済できる3カ国共通のICカードシステムの具体化を検討することや、国際イベントなどを通じて域内外から誘客を拡大することで合意。3国間の交流人口を2010年に1700万人とする目標の実現に努力する。

 青島宣言では、3カ国共通ICカードについて、「交通、宿泊、飲食などの消費段階をカバーできる旅行客の利便性を高めるシステムを徐々に構築していくこを提唱し、3国の事務的協議を推進する」と記述。具体的な協議の進め方やスケジュールは未定だが、日本側の提案に対し、システムの導入を通じた交流拡大で意見が一致した。

 来年の北京五輪、10年の上海世界博覧会、奈良県などで開催される平城遷都1300年記念行事をはじめとする国際イベントでは、3カ国の域内外から誘客拡大に努める。域内では、今年が日中国交正常化35周年、日韓朝鮮通信使400周年、中韓国交15周年にあたることから、記念事業などを通じて交流を活性化させる。

 3カ国間の周遊観光型商品の開発も推進。事例として「世界遺産を巡る旅」などを挙げた。観光交流の推進にあたっては、地方間、業界間の協力態勢づくりを重視する姿勢も確認した。

 宣言の中では、世界平和を脅かすテロリズム、地球環境の悪化、貧困や地域間格差についても触れ、それぞれの問題の解決に観光が果たすべき役割を友好、資源保護、雇用創出などの面から位置づけた。

 観光大臣会合は、昨年7月の北海道開催に続き2回目。次回は来年6月に韓国で開催することを決めた。

 また、国土交通省は6月24〜26日、「YOKOSO!JAPAN2007青島ジャパンフェスタ」を青島市内で開催した。日本から旅行会社や自治体がブースを出展し、訪日旅行をPR、商談を繰り広げた。中国側が主催した「青島・アジア太平洋旅游博覧会」との併催。26日には、日中韓の観光事業者や観光団体による民間会合も開かれた。

 
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