地元生産者との連携企画
兵庫県淡路島の洲本温泉(洲本市)の旅館・ホテルが、洲本の新たな魅力づくりに向け動いている。11月には地元農産物生産者らと連携して、「大浜海岸」を会場にした限定朝食会を企画、実施した。地域資源の活用や洲本のブランド育成、発信力強化に向け、朝食会企画の継続実施などの取り組みを進めたい考えだ。
参画したのは、洲本温泉のホテルニューアワジ、夢海游淡路島、夢泉景別荘天原、海月館、あわかん、淡路インターナショナルホテル ザ サンプラザ。6旅館・ホテルのシェフや料理長7人と、淡路島の農産物生産者グループ「淡路ベジタブルクラブ」が、「海辺のあさいち・あさごはん実行委員会」を組織して企画。淡路島観光協会の後援を受け、実施した。
洲本温泉は関西圏を中心に温泉旅館・ホテルが人気を集める一方、温泉以外の地域魅力の掘り起こしや活用の必要が指摘されてきた。
このうち洲本温泉近くに位置し、白砂青松の美しさや海水浴で知られる大浜海岸は、4月に開催する水上スクリーンを使った「うみぞら映画祭」などで利用しているものの、海水浴シーズン以外のにぎわいづくりが課題。大浜海岸の活用を考える中、採れたて野菜を売る朝市の開催を検討していた淡路島ベジタブルクラブと旅館ホテルが共同で、朝どれ野菜を使った朝食の提供と朝市の併催を決めた。
第1回は11月4日に実施。各旅館・ホテルから料理人やホールスタッフら10人ほどが参加して砂浜にテーブルセットを用意。朝どれ野菜を使った特製のホテルモーニングプレート2500円(税別)を30食限定で提供した=写真。
メニューは、「鳴門金時のチーズガレット」や「淡路野菜と鯛(たい)のコンソメ仕立て」など、地元の野菜やその他の産品を組み合わせたもので、各料理長が1品ずつ考案した。参加した地元客や各施設の宿泊客らは、大浜海岸の景色とともに、食事や朝市での買い物を楽しんだ。
企画の運営・運営に携わった、あわかんの上村早苗社長は「初めての企画だったが、関係者のパフォーマンスも素晴らしく、お客さまに海辺での特別なモーニングを楽しんでいただけた。料理長たちも、生産者やほかの料理長とのつながりが生まれ、新しい連携への意欲が高まったようだ。洲本温泉周辺には、グランピング施設や一棟貸しの宿泊施設も増えており、朝食のニーズもある。平日の集客や街歩きのきっかけになる企画に育てていければ」と話す。
同実行委員会では、今後も継続実施し、平日の集客の一助などとしていきたい考え。今回の取り組みを踏まえて、来年4月ごろに2回目の実施を目指す。