コンサルタントのリョケンはこのほど、全国の旅館に行った短期観測アンケートの4月実施分を公表した。この冬(1~3月)の客数実績は「減少傾向」が84.1%で、前年調査の34.1%を大きく上回った。新型コロナウイルスの影響で、ほとんどの施設で客数が大きく減少。この春(4~6月)の客数見込みは全てが「減少傾向」と回答した。
冬の客数は、1~2月は堅調に推移した施設があったが、2月後半から新型コロナウイルスの影響が出始め、3月はほぼ全てが大幅な減少となった。
8割超が「減少傾向」で、「増加傾向」が6.8%、「横ばい傾向」が9.1%にとどまった。
自館が立地する地域の客数は、91.9%が「減少傾向」。「横ばい傾向」が8.1%で、「増加傾向」の回答はなかった。
春の客数見込みは、自館、自館が立地する地域全体ともに「減少傾向」が100%と、全ての施設が回答した。
自館の客数見込みの前年同期比平均は、回答旅館全体で21.1%(78.9%減)と「記録的な落ち込み」(同社)となった。規模別では、大規模(100室以上)が16.8%、中規模(30室以上100室未満)が22.0%、小規模(30室未満)が23.6%。「個人客比率の高い小規模旅館に比べ、団体・グループ客の比率が高い大規模旅館への影響度合いが高いことがうかがえる」(同社)。
回答旅館から次のようなコメントが上がっている。
「休館日を設けるなどして、コストを最小限にとどめる努力と雇用調整助成金などの制度を活用して乗り越えるようにする」
「1月までは例年並み、2月は10%、3月55%、4月以降は90%ダウン。5月も4月並みになる。6月も予約は減少している」
「3月は春休みで満室の日が多かった昨年に比べて、今年は50%ぐらいキャンセルになった。連休もほぼ満室だったのに4月4日ごろからキャンセルになってきた」
「コロナウイルスの影響で団体客は全てキャンセル。個人客も90%キャンセルとなり、4月10日から30日は全館休館。それ以降も休館を検討中」