ＪＮＴＯの海外事務所長が中国市場の動向を報告（7日、ＪＮＴＯインバウンド旅行振興フォーラム）
一部にキャンセル、様子見も 不安払拭へ情報発信
訪日団体旅行の解禁から一転、東京電力福島第一原発のＡＬＰＳ処理水の海洋放出をめぐる影響が懸念される中国からの訪日インバウンド。日本政府観光局（ＪＮＴＯ）が6、7日に東京都内で開催したインバウンド旅行振興フォーラムでは、北京、上海、広州、成都に開設されているＪＮＴＯ事務所の所長が、刻々と変化する中国市場の動向を報告した。
中国からの訪日旅行は、中国側のゼロコロナ政策の終了、日本側の水際対策の緩和に伴って再開された。2022年12月ごろから高所得者向けのビザ（査証）、23年3月ごろからは個人観光ビザの発給が増え始め、個人旅行が増加した。
ＪＮＴＯの統計を見ると、中国からの訪日外国人旅行者数は、23年4月が10万8千人、5月が13万5千人、6月が20万9千人。7月には31万3千人となり、コロナ前の19年同月比の回復率は29.8％だった。中国団体旅行が早期に解禁されたタイやベトナム、シンガポールの回復率は6月で40％前後に上るが、日本も緩やかに回復している。
訪日客回復の要因には、日中間の直行便の復便、増便が上げられる。8月の直行便数は週約600便、コロナ前のピーク時に対して約40％強に回復している。直行便数の回復に伴い、高止まりしていた航空券の価格も一部で鎮静化したという。
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