和歌山県・加太淡嶋温泉の「大阪屋 ひいなの湯」は、客室やテラスのリニューアルを実施し、今年3月にオープンした。個人客の需要を意識した客室の仕様変更や、利用率向上のための施設改修などを行い、施設全体での高品質化が実現した。
今回の改装では、高付加価値化補助金を活用し、主に三つの設備をリニューアルした。
中でも大きな改修となったのが団体向け客室だ。コロナ禍以降、団体客の利用が大幅に実現したことで稼働率が低迷していた会食場兼団体向け客室4室を、天然温泉露天風呂付き客室2室に改装。天然温泉の露天風呂が付いた客室は館内唯一となっており、「美肌の湯」として好評のとろみのある温泉に自由に入ることができる。広々とした浴槽には寝湯も設け、浴槽にもたれながら海風を感じられるのも特長だ。
客室にはツインベッドを配置し、快適性を向上させた。ベッドはハリウッド・ツインを採用し、子連れファミリーの添い寝需要にも対応。室内には8畳分の和室も新設し、和風旅館らしさも味わえる空間となった。改装した客室は、5人まで収容可能となっている。
団体客室のリニューアルに加えて、老朽化していたコンセプト客室4室と西館5階テラスの改修も実施した。
コンセプト客室は、C・Dタイプ4室のサッシを取り換え、サッシ枠で景観を壊さないような配慮をしたビュー窓を導入。これまで以上に海の景色を室内から楽しめるようになった。西館5階テラスの改装は、展望大浴場の湯上がり処の利用率向上も兼ねて、湯上がり処に隣接しているテラスを改装した。
このほかにも、同館では今回の改装に合わせてバリアフリー対応のための段差解消機の導入や、修景を目的とした外壁改修も実施している。総合企画は、リョケン。
露天風呂の様子
客室の様子